
52歳の夫を持つ石岡麻衣さん(31歳・デザイン会社勤務・仮名)も夫の言動に「昭和」を感じるひとり。
「付き合っている時には『この人は年齢よりも感覚が若い』と思っていましたが、いざ子どもが生まれると『価値観が古いかも……』と感じることが増えましたね。夫は『男は外で働き、女は家を守る』といった前時代的な性別役割分担の意識が根強いせいか、家事や子育てに対して当事者意識が薄いんです」
炊事洗濯から子どもの予防接種のスケジュール管理や公共料金の支払いといったタスクも、基本的には麻衣さんの担当です。
「最近では少しずつ夫にも、できる範囲で任せてみているものの、『こっちに丸投げしてない?』という微妙な反応が……。機嫌が悪いときには、『俺に指図するな!』と声を荒げることもありました。
私はあくまでも『タスクを振る』『依頼する』感覚でも、彼には『年下の女性(妻)からの指示・命令』に映るのかも。彼の中にある無意識の男尊女卑をうっすら感じてしまいます」
以前、麻衣さんは、旧来型の価値観からなかなか抜け出さないように見える夫に対して、「なんであなたは変わらないの?」と問いかけてしまったこともあるのだとか。
「結婚した当時、夫は45歳。メンタル的にもキャリア的にも良く言えば成熟した、悪く言えば“もう成長しない”タイミングでした。一方で私は20代半ばでまだまだ精神的に未熟、仕事も駆け出し……といった時期でした」
しかし、そこから7年経った今、麻衣さんも転職や子育てと公私共に経験を重ねてきました。
「そのため夫は今でも結婚前と変わらず、自分だけが成長しているような感覚になるときがあるんですよね。もし同世代と結婚していたら……ふたりとも未熟なところから切磋琢磨して成長していくという、また違った経験ができただろうな」
そう、麻衣さんは語ります。