
大輔さんがテントの中で寝ようとしたところ、何やら音が聞こえてきました。それは人の足音のようだったと言います。
「テントの方へ近づいてくるような足音がしたので『この土地の管理人さんかな?』と思い、焦りました。『無断でキャンプしているのを咎(とが)められるのでは…』と思ったんです」
怒られるのではないかと、ヒヤヒヤしながら息をひそめて様子をうかがっていました。すると、足音は遠ざかっていきます。
「いなくなった…と、ほっとしたのも束の間(つかのま)でした。また足音がテントに近づいてきたんです」
再びテントへと近づいてきた足音に焦る大輔さん。
「とりあえず、『注意されたら謝って、なんとか許してもらおう…』と思っていました。くたくたに疲れていたので、起き上がるのがおっくうだったこともあり、とりあえず寝たふりを決め込んでいました」
大輔さんが寝たふりをしながら聞き耳を立てていると、足音はテントのまわりをぐるぐる回り始めたんだとか。

「テントのまわりをしつこく回っているようだったので、『やばい…!何か調べられてる…?』と思いました」
足音が気になりつつも、寝たふりを続ける大輔さん。その日は本当にそのまま寝てしまい、結局、管理人さんに注意されることはなかったとのこと。
「翌朝、目が覚めて、『あの足音はなんだったのかな…?』と気になりつつも、管理人さんがいそうな小屋も近くに見当たらなかったので、とりあえず出発することにしました」
そしてキャンプ場を後にした大輔さん。そんな出来事からしばらく経ったある日、驚きの事実を知ることになります。