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NHK大河『光る君へ』歴史の苦手な私にも刺さりまくる理由。貴族の“ドロドロ”だけじゃない

極上のラブストーリーへの期待も高まる

美しく雅な平安貴族たちの世界。その裏では政治をめぐる権力争いが繰り広げられます。第1回では、娘を入内(じゅだい=天皇の后となること)させて男たちが権力を得ていくのが普通だったこと、同じ貴族の間でも身分に大きな違いがあることなど、時代の常識についても触れられました。本作ではそんな貴族政治の世界に翻弄される女性たちの、苦悩や恋心が描かれることが予想されます。
『光る君へ 前編』2

『光る君へ 前編 (NHK大河ドラマ・ガイド)』(NHK出版)

また予告や前情報から、吉高由里子演じるまひろ(紫式部)と、柄本佑演じる藤原道長が惹かれ合うことは明確です。吉高・柄本ときて、「ラブストーリーの名手」とも評される大石の脚本とくれば、思い出されるのは2020年のドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)。 それまで二枚目のイメージがあまりなかった柄本が、ものすごく“いい男”を演じたことが印象的でした。同作でも許されない関係の中で惹かれ合うふたりをドラマティックに演じ、ドキドキさせてくれた吉高と柄本。本作では、どのような運命を、切ない恋心や絆を見せてくれるのか。ラブストーリーとしても楽しめることは必至でしょう。

子役も熱演! 俳優陣の豪華絢爛な競演に注目

吉高・柄本ペアはもちろん、佐々木蔵之介、井浦新、黒木華……挙げればきりがないほど、大河ドラマらしい豪華キャストであることは間違いありません。 第1回では子役たちの熱演も話題に。まひろ・三郎の子ども時代を演じた落井実結子と木村皐誠は、成長後の吉高・柄本を感じさせる見事な所作と台詞まわし。特にまひろが母の死で見せた泣きの演技は圧巻でした。そして、のちの花山天皇となる東宮を演じた伊藤駿太も印象的。自分の立場を十分に理解し、大人相手に無礼な態度をとる様は、成長後を演じる本郷奏多の怪演への期待も膨らませました。 しかし、なんといっても第1回で強烈だったのは、前述の道兼を演じた玉置玲央でしょう。昨クールのNHKドラマ10『大奥』医療編・黒木役で見せた実直さとは打って変わって、優秀な兄と愛される弟の間で葛藤しながら、自己の激情を押さえられないという役どころを見事に表現しています。衝動的にまひろの母を殺害しましたが、ただの極悪人で終わることはないでしょう
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吉高・柄本・松下の三角関係にならないかな
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