
「うちの父は経営者なんです。母はブランド好きな専業主婦。毎月のようにルイヴィトンのコレクションを増やして、エルメスの高級バックも何個も持っているような金銭感覚です」
なんでも紗奈さんは、高校生の頃、父に「俺の後継者になるヤツと結婚するんだぞ」と言われたことがあるそう。その言葉がいつまでの胸に残っていたといいます。
「私が公務員の彼を連れて行くと、父は険しい顔をしていましたね。私は父と彼は相性が良さそうだと思っていたのですが……。まさかあんな展開になるとは思いませんでした」
その日の夜は、実家にシェフを呼んで美味しい食事をいただくことに。紗奈さんの実家では月に数回シェフが食事を作りにくるんだそう。
「彼が父に、『なんか、すごいですね。自宅で豪華な料理が食べられるなんて』と褒め言葉のつもりで言ったんです。でも、父は『彼が経済的に私を満たせない』と思い込んでいたので、この言葉に反応してしまいました」
「君は、公務員の収入で紗奈を養っていくつもりなのか?」そう言って、ギョロっとした目で彼を見たといいます。
経営者の父に比べて、彼の年収は350万円ほど。紗奈さんが選んだ結婚相手が公務員だったことがよっぽどショックだったようです。