「レディース服ポケットない問題」を解決したい。“ペットボトル600ml入るポケット付きスカート”に開発者が込めた思い
着脱が簡単で、調整しやすいコルセットを販売して、今年で6年になる。
「起ち上げ当時と確実に変わっているのは、女性が自分で決定して、購入し、支持してくれていると感じられる点です。女性の社会進出が進んでいるのも、ひとつの要因かと思います。自分で選んだものを身に着けるって、自分の身体を愛することにつながりますし、ひいては自分の人生を楽しめるようになると思うんです」
しかし、SNSを開けばダイエットをすすめる広告に出会わないことがない。細身こそが正解、そうでなければやせるべく努力をしなければならないというメッセージを受ける社会に生きていると、自分の身体を愛するのはなかなかにむずかしい。
「見た目をとやかく言われたり、女性の見た目はこうあるべきって押し付けられたり……私はそういうときこそコルセットだと思っているんです。反抗心としてのコルセット。くびれを作って曲線の多い身体に見せる、でもコルセットを3秒で脱いだらありのままの自分に戻ります」
コルセットを着けている自分と、つけていない自分とは何ひとつ変わっていないのに。この考えは、元鈴木さんがイベントコンパニオンの仕事をした実体験からきている。
「外見で判断される要素の多いお仕事です。私はオーデションにコルセットをつけていって、見た目ひとつで評価が変わるのをたくさん経験しました。着けても着けなくても、私は私です。本来、私という人間はこれだけ評価されて当然なんだ、と思えるようになりました」
反抗心、という言葉は、元鈴木さんの口からたびたび出てくる。
「マジカルポケットも、反抗心からできたものなんですよ。女性のバッグは小さくて飾りみたいものと思われてますよね。世の中の人、主に男性が思い描く素敵な女性って、荷物が少なくてこんな小さなバッグで出かける女性でしょ? そう見えるよね? でも私、ポケットに荷物いっぱい持っているから! と言いたくて(笑)」
世間に対して常にファイティングポーズをとっているような、元鈴木さん。それが癇(しゃく)に障る人がいるようで、SNS上で反発を招くことがある。その多くが男性からの、元鈴木さんに「俺の思う女性の身体」をごていねいに説くものである。
いわゆるマンスプレイニング……主に男性が、相手の女性を無知だと決めつけてウエから解説したり知識を披露したりする態度だが、それに対する元鈴木さんのリアクションは辛辣でありながらユーモアがあり、見ているとクスッと笑いながら拍手したくなる痛快さがある。
私は私のままで

反抗心から生まれたものたち

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— 元鈴木さん (@Motosuzukisan) February 2, 2024