「レディース服ポケットない問題」を解決したい。“ペットボトル600ml入るポケット付きスカート”に開発者が込めた思い
「私、自分のことエンタテイナーだと思っているんです。四角四面に返すのではなくユーモアを混ぜるのは、世の人々に見てほしいから。女性というだけでこんなことを言われるんだぞ! でも私たちは黙っていないよ! と広く表明したい。
相手を人として見ていないから容姿のことをあれこれ言うのでしょう。本来ならこれって男性と女性の問題ではなく、人間としてお互いにリスペクトがある対応をしましょうって話なのに。それからマンスプレイニングしてくる男性にも、失礼なことや筋のとおらない意見を押し付けたら私にエンタメとして消費されるんだぞ! と伝えたいんです」
多くの女性がうなずくことでも、マンスプレイニングをしてくるような男性には、なかなか通じない。今日も、元鈴木さんのアカウントには「教えてやる」男性からのリプライがある。
「私の返し方に眉をひそめる人もいるかもしれませんが、私はお行儀の悪さって重要だと思ってるんですよね。
品行方正とは、時代の価値観……それが間違ったものでも、そちらに適応することです。お行儀が悪いとは、それに逆らうこと。
上品な服を着ていても、実はお行儀が悪い。そんなふうに逆らっていかないと、新しい価値観は生まれないですから」
女性の現実を尊重したものづくり、女性への抑圧をはね返してやる!というお行儀の悪さ――服をとおして伝わってくるその姿勢に、エンパワメントされる女性は多いだろう。
食材では「生産者の顔が見える」が購入の動機になりやすい。洋服やアクセサリー、その他の日用品も、顔の見える作り手とその心意気に賛同して購入する、というスタイルが、これまで以上に増えそうである。
<文/三浦ゆえ>
品行方正ではいられない

「エンパワメント」が購入動機に
三浦ゆえ
編集者&ライター。出版社勤務を経て、独立。女性の性と生をテーマに取材、執筆を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(宋美玄著、ブックマン社)シリーズをはじめ、『50歳からの性教育』(村瀬幸浩ら著、河出書房新社)、『リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ』(三木崇弘著、講談社)、『新生児科医・小児科医ふらいと先生の 子育て「これってほんと?」答えます』(西東社)などの編集協力を担当。著書に『となりのセックス』(主婦の友社)、『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。