NHK大河『光る君へ』、33歳元アイドル女優が演じる、もうひとりの平安“才女”の存在。もどかしすぎる恋路を垣間見た第6回
ついに「本当のコト」を共有したまひろと道長。
それぞれ複雑な思いが心をざわつかせるが、相手への想いをどうするかは違うようで……。
ふたりの恋の行方はもちろん、第6回で注目すべきは、やはり紫式部と清少納言の出会いである。ある意味、重要な回となった6回を振り返る
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道長(柄本佑)にすべてを打ち明けて屋敷に帰ってきたまひろ(吉高由里子)。帰りが遅いことをとがめる父・為時(岸谷五朗)の胸で泣きじゃくる。
長くまともに言葉を交わさなかったふたりだが、まひろ自身、母はもちろんのこと、父のことも子どものころはとても慕っていた。だからこそ、母が殺された事実をなかったことにしようとした父が許せなかったのだろうが、本当は父を許したいという気持ちもずっとあったはずなのに。
泣くまひろに多くは聞かず、左大臣家の姫達の集いには行かなくて良いと言う為時。
父は父なりにまひろのことを思っているのだ。しかし、まひろは母の仇である右大臣家にしか父のよりどころがないのは嫌だと言い、集いに通い続けることを願い出る。倫子(黒木華)と仲良くなれば、左大臣家とのつながりも深くなる。そうできるように努めると。
感激する為時。ただ、まひろ自身はほかにも思うところがあった。道長から遠ざかりたい。そのために、自分の命に何か使命を持たせたい、と。
まひろの涙と決意。まひろは間違いなく、道長を愛している。
花山天皇(本郷奏多)が政を取り仕切るようになり、右大臣、左大臣、関白らのストレスは溜まっていく。
彼らにとってモノ言う天皇は邪魔なのかもしれない。さらに花山天皇の外叔父・藤原義懐(高橋光臣)が自派を増やそうと藤原公任(町田啓太)、藤原斉信(金田哲)らを屋敷に招くなど活発な動きを見せる。道長はその場に呼ばれなかったが、これは右大臣家を排除しようとする表れだろう。
ものすごく子どもっぽい視線で見ると、「あいつは邪魔だから仲間外れにしようぜ!」という考えと根本的には変わっていない気がする。でも、権力があればできることも富も、自分の思い通りになる人間も増える。だからみんな権力を欲しがる。
道長から話を聞き、義懐派が増えることを恐れた道隆(井浦新)は若者たちを招いて漢詩の会を開くことにする。
なんだか権力の花いちもんめのようだ。
さりげなく描かれる家族の絆
権力は不思議だ
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