NHK大河『光る君へ』、“女を品定めする”38歳芸人と33歳LDH俳優らの生々しい会話が引き金に。恋の揺らぎが加速した第7回
自分の気持ちを隠さなくなってきた道長に対し、どうにかして道長を遠ざけようとするまひろ。
考えないようにすればするほど、考えてしまうのが恋というもので……。
今回は、ふたりの恋の揺らぎにスポットを当ててみたい。
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道長(柄本佑)のことを考えないようにしたいまひろ(吉高由里子)は、少しでも別のことを考えようと物語を作ることに心を傾ける。
まひろは直秀(毎熊克哉)らのもとを訪ね、自分が考えた散楽のあらすじを話す。
「おかしきことこそめでたけれ」という言葉、そしてかつて言われた「おかしきものにこそ、魂が宿る」の言葉がまひろの創作意欲を刺激したのだ。
まひろが考えた物語は右大臣家を猿に見立て、猿たちが神のフリをした狐にだまされるというもの。これを上演すると民たちにも大ウケ。その様子を見てまひろも満足げだ。
紫式部がどのように創作に目覚めたのか、というのは興味深いところだ。
ただ才能があってあふれ出さんばかりの言葉たちをまとめた……などというのもロマンがあるが、そうではない。
もともと文学が好きで、今の世に不満があって言いたいこともある、そして現実から目をそらしたい。そんな彼女がある種、現実逃避のために創作をする、という流れはとても自然のように思える。
しかし、権力を持つ右大臣家を中傷する散楽が評判を呼べば、上の者が黙っているはずがない。
武者たちが上演中に乱入。見学をしていたまひろと乙丸(矢部太郎)も巻き込まれてしまう。そこに助けに入ったのが道長だ。まひろの手を引いてその場から立ち去る。
これは、完全にときめきパート……!
あらすじを考えたのは自分だと言うまひろに、「俺たちをわらいものにする散楽をか?」と言う道長。答えられないまひろに「そっか」とつぶやき、微笑み、一歩歩み寄り「俺も観たかったな」。
不意に真剣なまなざしがまひろに向けられる。まひろも見つめ返し……という良い雰囲気のところで乙丸と直秀が駆けつける。
「邪魔しちゃった?」と直秀。
直秀は、このふたりの関係に適切な言葉を入れてくれるから爽快感がある。邪魔しちゃっていたな、完全に。
道長とまひろが想い合っているのは分かり切っていること。
まひろは必死に自分の想いを押さえているが、ふたりの関係は表面張力ぎりぎり。何かあったら溢れてしまう。
しかし、溢れる直前が一番ときめくもの。両片思い、たまらない。このふたりの立場がもう少し違えば、もっとよかった。
物語が心の拠り所


見つめ合い、そして……

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