「クソが!!」ヤバい健康食品を妄信し暴言を吐く妹。医師一家が彼女を止められない理由
家族以前に、なぜ医師としての立場からも「やんわり」なのか? 強くやめろと言えないのか?
それは、否定すると妹が大暴れするからなのだ。いまにはじまったことではなく、昔からだった。「妹のやることを無下に否定するとめんどくさいことになる」というのが、真子さん一家では暗黙の了解となっている。
大学生時代はこうだ。真子さんが失恋して落ち込んでいると、妹が幾度もこうもちかけてきた。
「すごい先生のところに、復縁のお札をもらいに行こうよ。効果あるって評判なんだよ」
興味もないし、いい加減しつこい! つい怒ってしまうと、「お姉ちゃんに罵られた! 占いの先生にいいつける!」そう泣きわめき、家を飛び出してしまった。唖然と見送ることしかできない。
大人になったいまでは、さらに悪化している。
ところかまわず勧誘して回るので、妹の友人が「その会社、こんな記事も出ているみたいだよ」と批判的な記事を教えることもあった。
ところが学生時代と同じように大泣きして激高し、「クソ野郎! 何もわかってないヤツが侮辱しやがって!」と殴り込みにいく勢いで暴れた。
しかもいまは、SNSがあるのがさらに厄介だ。妹は感情とSNSが直結しているため「クソが!!」と口汚い言葉を、世界へ発信してしまう。本人がすぐに消すようだが、真子さんの友人らもそのアカウントを知っていて口汚い言葉の数々を目にしているので、恥ずかしくて仕方がないという。
「妹も私も結婚していまは子どもがいますが、子どもらは彼女の対応に手慣れています。否定も肯定もせず、基本スルー。そんなスキルを身につけさせてしまったことが、不憫でなりません」
子どもたちが従妹同士でダイエットやコスメの話をしていると、「そういうときは、このサプリがオススメなのよ!」と妹がすかさず割り込んでいく。すると子どもらは「そうなんだ~。でもいまはプチプラの話をしてるから」とやんわり逃げる。
「このドリンクを飲むとお肌がきれいになるよ!」と飲ませようとしても、「前にも飲んだけど、味が苦手」とチラリとも見ずにサッとその場を離れる。見習いたい対応である。
今年の正月も、真子さんは衝撃の瞬間に出くわした。

SNSでも大暴れ

子どもらのクールすぎる対応

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