「クソが!!」ヤバい健康食品を妄信し暴言を吐く妹。医師一家が彼女を止められない理由
真子さん姉妹の実家で、集まった親戚らとリビングでくつろいでいた。そこに、ゴキブリが出たのだ。冬だというのにツヤツヤし元気そうで、なかなかのサイズ。うわー、殺虫剤か新聞紙……! 真子さんが動こうとした瞬間、先に動いたのは妹だった。
ポケットからサッと取り出したのは、マルチ会社の某エキス。
「ほらあ! こういうときにも役立つのよ!」
妹はそう叫び、ゴキブリめがけ謎エキスをふりかける。
「虫が嫌う香りがあるのは知ってるけど……。そもそも、そこそこ速い動きのゴキブリに直接かけるのはむずかしく、結局床がベトベトのエキスまみれになり、リビングに甘ったるい匂いが充満しただけでした。ゴキブリは最終的に、私の夫が捕まえて外に出しました」
そんなときも子どもらは、スマホの画面から目を離さずスルーを貫いていた。それほどまでに、心を閉ざしているということなのか。
母や姪を通じてつき合わざるをえない真子さんは、イヤでも頻繁に、妹の奇妙なマルチ生活が目に入ってしまう。そして、断っても断っても勧誘が止まらない。実例をいくつか紹介しよう。
・子どもたちが就学前のこと。真子さんが実家で市販のお菓子を食べさせていると、それを見た妹が「こんなものを与えると偏食になる」「栄養が偏るから、どんどん飲ませなくてはならない」と、マルチの健康飲料を飲ませようとした。
・真子さんの子どもが、小学校で不登校気味になった時期も、マルチの健康食品を使えとしきりに勧めてきた。「体が元気になって意欲が出て、学校に行けるようになる! の一点張り。もちろん使っていません」
・最近では、子どもたちの将来のビジネスの助けになる! という勧誘LINEもたびたび来る。「子どもたちには好きな道を選ばせたい、とごく当たり前の返事をしています」

残ったのは甘い匂いだけ

あの手この手で勧誘

自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、題名に「沼の話」と入れてぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。お話を聞かせていただきたい場合は、こちらから連絡させていただきます。
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