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「娘が友達と電車に乗ると中づり広告に“不倫”」安藤サクラへの思いを明かす父・レジェンド俳優74歳

現在、杏さんが主演を務めるヒューマンミステリー『かくしごと』が公開中の奥田瑛二さん(74歳)にインタビュー。 奥田瑛二長年絶縁状態にあった父が認知症を患い、介護のためにと帰郷した主人公の千紗子が、事故で記憶を失った、虐待の疑いのある少年と出会って一緒に暮らし始める本作。いい男っぷりに増々磨きのかかる奥田さんが、本編では認知症を患う父・孝蔵役で、全くの別人として存在しています。 『かくしごと』妻・安藤和津さんのお母さんを、ともに介護した経験も持つ奥田さん。そんな奥田さんに、和津さんや、監督をしている長女・安藤桃子さん、次女で俳優の安藤サクラさん、さらにお孫さんへの思いを聞きました。

老人研究。認知症を知るために施設へ

奥田瑛二――孝蔵さんが、まったく奥田さんに見えなくて、登場シーンから衝撃でした。 奥田瑛二さん(以下、奥田)「今回は、まず老人研究をしようとやっていきました。それから認知症についても知る必要があった。和津さんのお母さんが認知症で一緒に介護したことはあるけど、いろんな方がいらっしゃるからね。 知人から施設を紹介してもらって実際に見に行きましたよ。見学ではなく一緒に話したりして。ワイワイみんなで話している人もいれば、じっとひとりでいる人、テレビをずっと見ている人、いろんな人を見て、孝蔵はどういう人物なんだろうと考えていきました。 かつて学校の先生をしていて、奥さんが先に亡くなって、ひとりで山の上に引っ越した。いまは徘徊をしている。徘徊のシーンは本編にはないけれど、重要だろうと思って、普段からセリフを覚えに行ってる近くの公園に行って考えてみた。すると、林の中に孝蔵さんが歩いている姿が見える。“ああ、こういうことか”と、その通りに歩いてみる」 ――孝蔵さんが歩いている姿が見える? 奥田「そう。“奥田孝蔵”が歩いているのが見えるわけ。次はベンチに座っている姿が見えて、“そうか、こうか”とその姿を作っていく。現れた人を迎え入れて、自分の体の中に入ってもらうんです」

「俺がもし認知症になったら」とは口にしない

――お義母さまのお話も出ましたが、認知症は誰でもなる可能性があります。介護側になることもあるわけですけど、ご夫婦でご自身や相手がそうなる可能性についてお話することはありますか? 奥田「年に4~5回は出るね。夫婦喧嘩したりするときに。平和なときは出ないかな。僕からは言ったことないけどね。 和津さんは“私が認知症になったら施設に入れてね”と言っていて、俺はどうなんだろうと思うけれど、役者がそれを口にしちゃダメだと思ってるわけ。役者でも映画監督でも」 奥田瑛二――口にしてはダメ? 奥田「死ぬまで俳優でいたい、死ぬ寸前まで監督したいと思っている人が、“俺がもしそうなったら”なんて口にしちゃダメに決まっています。和津さんがみんなのことを思ってそう言ってくれているのは100も分かるんだけど、僕は言わない。いつかバーンと来るかもしれないけど、僕自身は口にしちゃいけないと思ってます」
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結婚当初、1週間で離婚するぞと言われた
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