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「あんたの話し方が気に入らない」上司の“新人教育”で動悸・体の震えが。病院に行くと意外な診断が<マンガ>

休み方がわからない

休む「休職したんだし休まなきゃ」 免罪符をいただいたのに、休もうとしても休めない。実際、「休んでいい」と言われても、すぐに眠れるわけでも、のんびりできるわけでもありません。さらに有給休暇ではなく休職なので、「やりかけの仕事を任されて、今頃上司は怒っているかもしれない」など、不安と焦りに苛まれます。 真面目で頑張り屋さんだからこそ、陥りがちなトラップです。しっかり体を休めたい、でも会社に行かないと忘れられそうで焦る、そんな思考で自分を追い込んでしまうのです。 心のどこかに、うつを認めたくない気持ちもあったといいます。うつ、という病名の響きから、頑張れなかった自分、という印象を持ってしまうのではないでしょうか。

「逃げる」ことは「生きる」こと

「もっとできる、もっとやれる。このくらいでへこたれるなんてありえない」 なおにゃんさんのように、自分を信じるのももちろん大切です。でも、仕事や人間関係を完璧にこなせる人はいませんし、そもそも何が完璧なのか、人によって基準も異なります。誰が悪いとか悪くないとかではなく、価値観の違いですれ違うことが、世の中にはあるのです。 「生きる」ために「逃げて」いいのです。なおにゃんさんも、一度会社に戻りますが、やはり心より先に体が会社を拒否してしまいました。 復職した当日に、社員みんなの前で「これからは頑張ります」という挨拶をするよう促されましたが、どうしても言えなかったのです。 頑張り屋のなおにゃんさんが、頑張ることを放棄した瞬間でした。やっと「もうすでに頑張っている」と理解したのです。 再び「逃げよう」と決意して、2度目の休職に突入します。今度こそ、しっかり休もうと一念発起するものの、うつの苦しみは、ここから新たな局面を迎えるのです。 うつになって、逃げて逃げて、やがて新天地を見つけるまで。心身がアップダウンした人生の寄り道は、決して無駄ではなく、成長への旅でした。ぜひあなたも、なおにゃんさんが経験した、うつの先の景色を見つめてみてください。 <文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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