綾瀬が“ヒロイン”としての魅力を確実にしていった2000年代、そして俳優として大きく役の幅を広げていった2010年代、2020年代。綾瀬のターニングポイントには森下氏の作品がありました。なかでも、筆者が「綾瀬×森下タッグならでは!」と印象深いのは『白夜行』と『義母と娘のブルース』。
『白夜行』では幼なじみのために実の親を殺してしまう美しき殺人者を演じ、強く逞しい新たなヒロイン像で魅了しました。『義母と娘のブルース』ではスーパービジネスウーマンの不器用さと愛らしさが爆発。いずれも、
綾瀬の新たな魅力を引き出したといえます。

今回、綾瀬はるかの語り起用を希望したのは森下氏だそう。耳にすっと入って聞きやすく親しみのある綾瀬の声が、作品にぴったりという理由だと語っていました(2024年12月16日
マイナビニュース)。
登場人物が多く、常識やしきたりも現代と大きく異なる時代背景で、重要となる“語り”。信頼のおける綾瀬に依頼するのは、当然だったのかもしれません。