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「45歳頃は死んでやる!みたいな感じだった」芸歴53年目・杉田かおるが明かす“心が健康になったきっかけ”

45歳のころ、オーガニックに出会う

映画「嗤う蟲」――年明けにネットニュースにもなっていましたが、『嗤う蟲』では山野海さんと50年ぶりの共演を果たされましたよね。 杉田:そうなんです! わたしのデビュー作でご一緒した方で、それまで共演することはなかったので、とてもうれしかったです。 ――俳優生活50年、振り返ってみて思うことはありますか? 杉田:10代の頃、三崎千恵子さんや大坂志郎さんという素晴らしい先輩たちがいまして「俳優は片腕10年」とおっしゃっていました。両腕で20年、両足で40年、自分が納得できる演技ができるまで、50年はかかるということを言われていたんです。だから20年目、30年目でもまったく焦らなかったです。自慢じゃないですが、今までも一度も賞を獲ったこともなく(笑)、仕事に恵まれなかったときや芝居で失敗したときもその言葉を思い出して、まだまだだと。そういうことを言ってくださる先輩たちがいて、とてもありがたかったです。 ――俳優業以外では、オーガニックなど健康面に注力されていますね。 杉田:そうですね。45歳の頃、ちょうど更年期に入るときにバラエティ番組によく出ていて不規則な生活だったんです。お酒も飲むし、これでは体を壊すなと思っていたところ、妹の助言でオーガニックを知りました。お酒もナチュールワインに代えて、ビオディナミを飲むようになりました。

オーガニック食材を選ぶことで「料理が楽しくなった」

杉田かおる――15年経ち、変化は感じますか? 杉田:お料理が楽しくなりましたし、それこそ孤独でいいと思っていたのですが、人生には人とのコミュニケーションが大切だと気づくんです。それが長生き、健康寿命の秘訣ではないかと思うようになりました。自分が食生活に気をつけ始めると、同じような友だちもできるんです。そこから交流が広がり、友だちが増えたりして、とても人生が豊かになってきています。体の健康のために始めたものですが、心の健康にもつながっています。 ――そして2024年末、60歳を迎えられましたね。 杉田:はい、60歳を無事に超えられました(笑)。今はただ、超えられたことにひたすら毎日感謝、感謝ですね。夫婦で「健康で長生きしたいね」と言っているところです。もう45歳の頃は「死んでやるー!」みたいな感じだったので、ずいぶん変わりました(笑)。朝起きて「生きよう!」と思えるので、それくらい食べものの影響は大きい。自分の体、細胞が喜んでいるんだと思いますね。

いろいろなことに感謝できる精神状態を維持したい

杉田かおる――今、新たに始めたいこと、やりたいことはありますか? 杉田:いろいろなことに感謝できる精神状態を維持することを目指したいと思っています。後悔や愚痴は、若いときに置いてきました(笑)。 ――日々の努力が大事なんですね。 杉田:そう思います。前向きに生きるって、意外とエネルギーが要ることなんです。食べものを変えたり生き方を変えたり、いろいろなことを発見したり気づいたりしないと、なかなか気持ちが前向きにはなれないと思います。母からは「愚痴を言っていると馬鹿になるよ」と子どもの頃から言われて育ったので、その努力はしないといけないですし、大事ですね。 ――俳優の先輩方、家では母親の教えがあって今があるわけですね。 杉田:母や先輩方のしつけとでも言うのかな、大事なことだったと思いますね。バラエティ番組ではっちゃけたりしていましたけれど、法に触れることは今のところしていないので教育がよかったんだと思います(笑)。それを今度は若い人たちに受け継ごうということではないのですが、生き様のようなメッセージが残せられればと、インスタグラムに自分がいいと思ったもの、感動したものをダイレクトに伝えられるので更新しています。

Instagramがたびたびネット記事に

杉田かおる――杉田さんがインスタグラムを更新すると、山野海さんとの50年ぶりの共演の件もそうでしたが、すぐネットニュースになりますよね(笑)。 杉田:そうですね。わたしがポテトサラダを作ることが、そんなにニュースになるようなことなの? と。そんなに(食事を)作らないイメージなんですかね(笑)。ファンが少ないわりにネットニュースになる回数が多いのですが、おかげでフォロワーさんが増え始めています(笑)。 ――最後になりますが、映画『嗤う蟲』について一言お願いします! 杉田:ホラーやスリラーが苦手な方も、面白い怖さなので幅広い方たちが楽しめる作品になっていると思います。映画館で体験してみてください。 <取材・文/トキタタカシ 撮影/吉開健太>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
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