名作アニメ「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」、本国での意外な反応
今年で放映40周年を迎えたアニメ「アルプスの少女ハイジ」(原作/ヨハンナ・シュピリ)。最近でこそ「家庭教師のトライ」のパロディCMの印象が強いですが、アルプスの大自然を舞台に、両親を幼い頃に亡くした少女・ハイジが、おじいさんに預けられ、ヤギ飼いの少年ペーターや子ヤギのユキちゃん、クララとの出会いなどを通じて成長をしていく姿に涙したひとも多いのでは。
アニメを制作するためにスタッフ(演出に高畑勲、場面設定・画面構成に宮崎駿、キャラクターデザイン・作画監督に小田部羊一)は、スイスを約1年間にわたりロケハンして回り、作品に反映。ヨーロッパをはじめ、アジアやアラブ諸国、アフリカなどでも放送され、長年にわたり愛される日本の代表的なアニメとなりました。
では、物語の舞台となったスイスの人々は「ハイジ」をどう扱っているのでしょうか?
ハイジが冬を過ごしたといわれるマイエンフェルトのハイジドルフを訪ねてみました。
まず、村の入り口近くに、看板を見つけました。
日本のそれとは違う、写実的なハイジとなぜか小さくあの日本のハイジのイラストがあしらわれています。
そばには注意していないと気づかない「ハイジの泉」が。
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おてんば感は伝わりますが、あまり可愛くはないです。
少し進むと、思わず「♪教えて~ おじい~さん~」と口ずさみたくなる小路とその先に「♪アルム~の~も~み~の木~」が~。※(主題歌「おしえて」より)
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さらに進むと古い農家をそのまま使ったハイジハウス(ハイジ博物館)が登場。
隣接するショップ「ドルフラーダ」へ。世界各国の言葉に訳された本のほか、日本のアニメ版ハイジのグッズがセンターに陳列!
そこで、「このアニメ、日本でつくられたんです!」と近くにいた数人の観光客(おそらく現地の方)に話しかけてみたところ、「知っているよ。日本のアニメは素晴らしい」と褒めてくれる人もいましたが、「本当に?」「冗談でしょう(笑)」「ハイジはスイスのもの。あんなに忠実にスイスを日本人が描けるわけないわ」という反応も。いまだに、アニメが日本製だと知らない人もいるんですね。
一方、『アルプスの少女ハイジ』の次のクールに放送された世界名作劇場『フランダースの犬』(原作/ウィーダ)は、舞台はベルギーですが、イギリス文学であったためさほど知名度は高くなく、ベルギー人でアニメの最終回(ノートルダム大聖堂のルーベンスの絵画の前で、ネロとパトラッシュの命が尽きるラストシーン)を見た人のなかには「ベルギー人は貧しい少年をほったらかしにして死なせるほど薄情ではない!」と憤慨する人もいたそうです。
確かにアントワープにあった記念碑は、ベンチ替わりになっていました……。
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日本人は「世界で評価されるジャパニメーション」とひとくくりにしがちですが、作品ひとつひとつが評価されるのであって、世界ではさほど日本製ということにこだわりはないのかもしれませんね。
<TEXT、PHOTO/おはつ>
「原作もアニメももちろんスイス製」と思っている?
- 木陰にこじんまりと……
- なぜこのレイアウト??
- 右手にいるのはユキちゃん?
- ハイジの家。手前はアルムおんじ?
- ハイジとペーター……
- ハイジ……
- 家から観たアルプスの丘
- この丘で「クララが立った」!?
- ユキちゃんはいなかったけれどヤギと触れ合えます!
- 見慣れたイラストの商品がズラリ!
- 各国の言葉に訳された書籍。このショップでは、絵葉書にハイジのスタンプを押してもらい投函できます
- ゆるカワイイ、ハイジとペーターのイラスト。小さい子を持つ友人にお土産に買って行ったら喜んでくれるだろうか
アニメ「フランダースの犬」にベルギー人は憤慨!?
- ノートルダム大聖堂にかかっているルーベンスの絵画「キリスト昇架」。ネロが最期にみたといわれる二枚の絵画のうちのひとつ
- アントワープの商店街には謎の日本風キャラのカバンが売られていました
おはつ
週刊SPA!編集者。信州生まれの埼玉育ち。スポーツ(観戦&プレイ)と旨いお酒があれば、大体幸せ