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12歳で映画デビューの26歳が明かす“理想の姿”「オンオフがなるべくないほうが…」

日々の努力は「性に合っている」

中川大志――20代後半を迎え、どう過ごしたいですか? 中川:いい作品、いい役柄に出会いたい。あとはそういう機会が来たときにいつでも最高のパフォーマンスができるように、いい状態を常にキープしていたいということ。どうしても現場に立っている時間だけがフォーカスされがちですが、そうじゃない時間も大事なんです。スポーツ選手もオフシーズンが大事だと思うのですが、打席に立ったときにいつも良いパフォーマンスをしていたいです。 ――日々の努力だと思いますが、それは大変なことではないですか? 中川:たぶん性に合っているんです。僕は何でも練習や稽古が好き。趣味はゴルフなのですが、その練習も好きで地味なことが好きなんですよね。稽古も毎日大変ですし、今役で体を作っているのですが、トレーニングは地味で大変ですぐに結果が出ないけれど、自分の性格的には合っている。 自分の成長・変化を考えることも好きで、考えてよりよくして、もっとこうすればよくなるだろうという研究も好きなんです。だから。芝居のことも常日頃もっとよくなるように考えているので、少しずつですが日々アップデートされている感じはしています。

オン・オフを意識しないということ

中川大志――オンオフの切り替えがあまり要らない? 中川:そうかもしれませんね(笑)。オンオフがなるべくないほうが僕の目指している理想に近いと言いますか、それこそさっきの話ではないけれど、シームレスにしたいんです。そうじゃないとお芝居の「よーいスタート!」から「カット!」までの間がものすごく特別なことになってしまうので、他の時間でリラックスしたくないんですよね。オンオフという感じではいたくないんです。でも現場は特殊な空間なので、そういうことを意識しなくてもスイッチは入っていくと思うのですが(笑)。 ――ファンクラブなども立ち上げられたかと思いますが、今のモチベーションはどこにあるのでしょうか? 中川:もちろんそれはお客さんですね。誰にも作品が観られない状態は嫌ですし(笑)、映画でも雑誌でもお客さんがいて初めて成り立つものなので一番のモチベーションはそこです。でも、もっと言うと自分はさっきお話したように練習や研究が好きなので、負荷が必要なんです。人間、自分ができることはもう頑張らないですが、やったことがないこと、できないことには、どうすれば上手くいくだろうとか考えますよね。こうして改めて言われてみると、それがモチベーションなのかなと思っています。 ――そう考えると、この先の変化、進化、成長が楽しみですよね。 中川:そうですね。自分では想像つかないところではあります。もしかしたらもうやっていないかもしれないですし、やりたくてもやれないかもしれない。読めない仕事ではあるので将来は何とも言えないですが、5年後、10年後どうなっているかなと、楽しみにしながら日々過ごしているところもあります。 <取材・文/トキタタカシ 撮影/吉開健太>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
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