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「処遇が甘い」の声も…三山凌輝の文春報道にSKY-HIが出した声明が“信頼できる”ワケ

 2025年4月24日発売の『週刊文春』で、「BE:FIRST三山凌輝が“結婚詐欺”1億円を貢がせていた!」という記事が掲載された。
三山凌輝1st写真集『Gaze』(主婦と生活社)

三山凌輝1st写真集『Gaze』(主婦と生活社)

 この疑惑について、「文春オンライン」で第一報が報じられた4月23日深夜、三山の俳優事務所であるFlash Up étoileと、アーティストマネジメントを担っているBMSGが連盟で声明文を発表。そこには事実確認の上で「法令に違反していることがない」とあった。 さらに4月30日、BMSGのCEOであるSKY-HIが自らのX上に声明を出した。これまで三山の活躍を好意的に見てきた一人として、これは信頼すべき文面だとひとまず感じた。  文春報道からSKY-HIによる誠実な声明文を踏まえて、今改めて三山凌輝について何を語り、何が語られるのべきなのか? 男性俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が解説する。

グループでは重要な立ち位置

 7人組のダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」は、SKY-HIプロデュースの下にコロナ禍を躍進して、今や日本のダンス&ボーカルシーンを牽引する存在として世界的に注目されている。  同グループのメンバーである三山凌輝(グループでの名義はRYOKI)は、グループの人気を支える重要なポジションにいる。音楽界でのグルーヴィーな佇まいと存在感を全身で強く打ち出しながら、最近では、その音楽的才能をテレビドラマや映画などへの出演にも注いで、演技の資質も並外れていることを示している。  伊藤沙莉主演の朝ドラ『虎に翼』(NHK総合、2024年)では、主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)の弟・猪爪直明役を演じた。台詞の一言一言を丁寧に配置するように発する、クリアな眼差しがひときわ、きらきらしていた。同作での三山には演技というものに自らを全面的に投じるスタンスがあり、俳優の鑑のようだとぼくは感じ、すっかりファンになった。

朝ドラ『虎に翼』でもしなやかに躍動

『誰よりもつよく抱きしめて』より

『誰よりもつよく抱きしめて』より(株式会社HIANリリースより)

 近年の朝ドラ作品として圧倒的な注目度だった『虎に翼』は、名刺代わりの出演作である。同作放送後に主演映画が後続するのは当然。三山にとっては初主演となった映画『誰よりもつよく抱きしめて』(2025年)では、『虎に翼』で養った演技の根幹とバランス感覚をよりしなやかに躍動させた。  具体的には冒頭場面から明確に可視化されるリズミカルな演技である。映画は三山演じる絵本作家・水島良城が、テラス席で絵を描いている様子から始まる。外は寒く、良城は温かそうなマフラーで口元までおおっている。  彼が息を吐く。マフラーがずれて口元が露になる。今度は鼻から息を吐く。持参したドリンクを一口、さらに息を吐く。等間隔に3回息を吐く。  初主演映画の冒頭場面にしては少し地味な身振りかもしれない。でも、この場面の三山は3回吐いた息を3拍分のビートとしてカウントするように演技を構築している。  リズミカルな組み立て方には音楽的才能を感じる。そしてそれを単なる雰囲気として醸すのではなく、明確なビート感としてスクリーン上に刻む慎ましい映画的資質に深く感動してしまった。
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SKY-HIの声明文を踏まえて何が語られるべきか
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