Entertainment

「処遇が甘い」の声も…三山凌輝の文春報道にSKY-HIが出した声明が“信頼できる”ワケ

SKY-HIの声明文を踏まえて何が語られるべきか

 という具合に、音楽的であり映画的でもある三山の演技について、少し丁寧に記述してきた理由がある。『誰よりもつよく抱きしめて』の三山は早くも2025年最高の名演だと確信したのだが、同作公開から3か月近く経ち、予想外の話題性が飛び込んできたことに対してどう反応すべきか、戸惑ってしまったからである。  4月24日発売の『週刊文春』が「結婚詐欺」と報じたのである。事実確認以前に、この四文字があまりにも強いインパクトで迫ってきた。文春報道からすぐネット記事でも一斉にこの文字が複製された。2025年最高の名演を感じたばかりだというのに、随分複雑な気持ちになる話題である。  初主演映画でキャッチしたビート感に対して、何ともリズミカルじゃない報道内容。いてもたってもいられない。三山凌輝について早く何かを書かなければならないと気持ちははやるのに、何をどう書いたらいいのか。そんな感じでひとまず静観しているうちに、所属事務所が声明を発表した。  さらにマネジメントを担うBMSGのCEOであり、三山の才能を鍛えたプロデューサー・SKY-HIが自らのX上に個人的に声明文を投稿(4月30日)するという展開……。  文春報道に対する明確な対応力が評価されるべき、このSKY-HIの声明文を踏まえて、今改めて三山凌輝について何を語り、何が語られるべきなのだろうか?

SKY-HIの声明が約束すること

「一部報道について」と題された所属事務所の声明文(BMSGと連名)では「三山がかつて報道にありました方と真剣に交際していたことは事実でございます。双方のプレゼントのやりとりがございましたが、法令に違反していることがないことを確認しております」と書かれている。 「法令に違反していることがない」という文言が焦点になっているわけだが、この文言を踏まえたSKY-HIは、X上声明文に「法律と関係なくBMSGの理念と反している行動があるとも認識」とある種カウンター的に補足している。 「RYOKIの件に関して自分としても早急にコメントを出すべきだと認識」という冒頭文にしろ、SKY-HIという優れたエグゼクティブによる誠実かつ的確な言葉の連なりが、ほとんど全面的に信頼が置けるものだと感じた(にもかかわらず、ネットでは一部処遇が甘いという批判がある)。  その上で自分の責務をつまびらかにして「BMSGの理念」を改めて問いながら、三山に対する今後のマネジメントスタンスを明らかにする。これがネットニュースになろうと、どこをどう抜いても誤読の余地はないはずと感じる。  BMSGがスローガンとしているのは「才能を殺さないために」である。同社公式ホームページにはこれが「Mission」と明記され、それに後続する形で「革命的」、「真面目」、「想像力」、「成長欲」が4つの価値として「BMSGの理念」を丁寧に説明する。  力強い理念に照らしながら、今回の報道があったからといって頭ごなしに処遇を決めるのではなく「責任を受けられる、想像力のある人間作りのために今後の自分のキャリアも改めて注いでいくと強く誓います」とX上に書くSKY-HIは、これまでの三山をより強固なアーティストに鍛えることを約束する。  芸能界の「旧態依然を革命する」BMSGとして、アーティストの今後を風通しよく垣間見せるスタンスを改めて表明する。それによってぼくらは少なからず、これからの三山凌輝を見守ることができる。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ