
ベイシアで提供されている「セルフ式カレーライス」。322円でおいしいカレーが思う存分味わえる
もう一つ注目すべきは、群馬を拠点に展開する「ベイシア」。惣菜売り場にある“セルフ式カレーライス”が大人気になっています。ルールとしては、ごはん、カレー、麻婆豆腐が盛りつけ自由で、容器のフタがしまればOK。価格は322円。カレーの味は申し分なく、麻婆豆腐と合わせることで新しい味わいを楽しむことができるのです。
つまり今の不景気な日本において、スーパーに行けばワンコインどころか、おつりが返ってくるような低価格でおいしいカレーが食べられるということ。こだわりのルウやレトルトカレーであってもワンコイン以内で調達が可能になっていることも忘れてはなりません。
私はスーパーマーケット研究家という立場として断言したい!スーパーはカレー専門店をしのぐような実力をつけつつある脅威の存在として、確かな進化を遂げているのです。
カレーはどこまで安くなる?無印の190円カレーに驚いた

本格レトルトカレーの先駆者である無印良品からは、毎年新しいカレーが登場しています
このように広く見ていくと、上手に選択していくことができれば、カレーはどんどん美味しく、どんどん安くなっていると捉えることができます。
無印良品では、北と南で特色の違うインドカレーを3種類ずつ組み合わせた本格カレー商品が1人前590円で販売されています。そして出会ったのが、現在190円に値下げされている「素材を生かしたカレー マッシュルームマタル」。
マッシュルームと2種類の豆が入り、生クリームやヨーグルト、香ばしいピーナッツがポイントになった、ちょっと珍しいインドカレーです。ごはんはもちろんのこと、そうめんにかけて食べるなどのアレンジも無限大で、個人的には病みつき感を伴う味わいが気に入りストック買いをしたほどです。

マッシュルームが主役になった「素材を生かしたカレー マッシュルームマタル」は、期間限定で190円になっている
カレー店倒産の理由は、米や食材の高騰だけの問題ではなく、カレーブームに陰りが見えているわけでもありません。厳しい環境下の中で、各社各店がし烈な競争を繰り広げている結果と言えるでしょう。
果たして今後、カレーはどこまでおいしく、どこまで安くなるのでしょうか?
食料品値上げの暗いニュースが目立つ空気感が漂いがちですが、カレーは、多くの人々から愛され、不景気であっても安心しやすく、食べて喜びを深められる存在。そういう意味でも、引き続きカレー業界に注目していきたいと思います。
<文/食文化研究家 スギアカツキ>