「息子の洗濯物が触れない」痴漢で逮捕された息子と向き合う母親が明かした”地獄の日々”
息子の洗濯物を洗えない……母親の葛藤
裁判では母親が情状証人として出廷しましたが、検察官からは厳しく「育て方に問題があったのでは?」と問われ、頭が真っ白になってしまったといいます。
現在、Aは保釈中で、両親が新たに借りたマンションで身を隠すように同居しています。裁判での判決を待ちながら、クリニックに通院し、アルバイト探しの日々を送っていますが、職探しは非常に難航しています。
久々に息子と一緒に暮らすことになった両親はなんとか息子を支えたいと思いながらも、とくに母親はうつ病を患い、性犯罪者となってしまった息子に生理的嫌悪感を抱き、洗濯物も一緒に洗えなくなってしまったそうです。
現在、両親は「母親の会」と「父親の会」に参加していますが、もしもAが実刑判決を受けた場合、刑務所での面会や出所後の生活支援、治療の継続など、両親の苦悩は続いていくことになります。
<文/斉藤章佳>斉藤章佳
精神保健福祉士・社会福祉士。西川口榎本クリニック副院長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症回復施設の榎本クリニックで、ソーシャルワーカーとしてアルコール依存症をはじめギャンブル、薬物、性犯罪、児童虐待、DV、クレプトマニア(窃盗症)などあらゆる依存症問題に携わる。専門は加害者臨床で、現在までに3000人以上の性犯罪者の治療に関わる。著書に『男が痴漢になる理由』『万引き依存症』『盗撮をやめられない男たち』など多数
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