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登場人物全員“ヤバイ”!?狂気の中に咲く純愛——『愛の、がっこう。』から目を離せないワケ

ホストの設定だけが“切なく”て胸が痛い

ラウールさん

画像:ジョルジオ アルマーニ ジャパン 株式会社 プレスリリースより(PRTIMES)

カヲルの周囲もなかなか。母親の奈央(りょう)は、カヲルが小学校に上がる頃には養育を放棄したくせに、ホストとなって稼ぐようになってからは、お金の無心に来るまさに“毒親”です。 カヲルを夜の世界へと導いたホストクラブ「THE JOKER」の社長・松浦(沢村一樹)も一筋縄ではいかない風情で、前科があり裏社会との繋がりもあるという情報も——実はカヲルの父親という考察も見逃せませんが——。 そんな中で、カヲルには“狂気”を感じません。逆にどこまでも純粋に愛を求めているような“淋しさ”を感じるのです。小学校のときに生まれつき字を覚えにくい学習障害「ディスレクシア」を抱えているといわれるも、母親による育児放棄もあり、学校にはほとんど通わず、読み書きが苦手なまま大人になりました。 幼いころから、無理解によって周囲に“バカ”と言われ続けた苦しみはいかほどか。その“切なさ”をラウールが丁寧に演じており、胸を締め付けられる思いがします。

ふたりの恋が“狂気”の中で一層輝きを増す

木村文乃さん

画像:株式会社BS朝日 プレスリリースより(PRTIMES)

そんなカヲルと愛実は、周囲の“狂気”と相まみえながらも惹かれ合い、お互いを知り、気持ちを通わせていくのです。はじめは正直、真面目な教師とチャラいホストの恋にはのめり込めないと思っていました。 しかし、人と人とがぶつかりながらも恋に落ちていく姿にどうしようもなく惹かれてしまいます。クセの強いキャラクターたちの“狂気”が強ければ強いほど、ふたりの純粋な恋心がより美しく見えるのです。 そんな中で迎えた、8月14日に放送された第6話は特に秀逸。まさかの45分中42分で“ふたりのデート”だけが描かれたのです。夕暮れの美しいキスシーンでは、ふたりを応援したい気持ちがもう最高潮に!『東京ラブストーリー』を彷彿とさせる、あまりに切ない別れのシーンに涙したのはきっと筆者だけではないはず。 と思ったら最後3分で怒涛の“狂気”が押し寄せてくる急展開。さすが、社会現象を巻き起こした『昼顔』シリーズを描いた井上由美子氏のオリジナル脚本です。唸らされました。 6話の幸せなデートは本当に束の間。最終回に向けて怒涛のドロドロ展開が予想されます。それでも、ふたりが育んだ美しい“恋”を成就させてほしい。祈らずにはいられません。 <文/鈴木まこと> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【ノベライズも発売中!】⇒愛の、がっこう。(上)をAmazonで見る 【ノベライズ下巻は絶賛予約受付中!】⇒愛の、がっこう。(下)をAmazonで予約する
鈴木まこと
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201
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