「20代の私はかっこいい女だったな」40歳を前に、元局アナが今の自分に足りないと痛感するもの
20代、局アナだった頃を振り返る
今年、一人旅が実現しなかったワケ
実は今年、そんなかつてのライフスタイルを思い出し、愛犬をシッターさんに預けて久しぶりに一人旅でもしようかと思い立った私。いよいよあの時の私、復活か!? と、網走のホテルを予約しかけたのですが……結局実現しませんでした。理由は……「疲れているから」。おい! かつての私じゃ考えられないキャンセル理由。
昔は旅行の予定を立てている瞬間そのものが楽しくて楽しくて仕方なかったのに、今は「何時のJRに乗って、そのあと何番のバスに乗って……」と考えるだけでなんだか脳が沸騰しかける。
あのときのやる気はどこに!? もしかして女性ホルモンの乱高下の影響か……と不安になった私。
先日婦人科を受診した際、「20代のころは身心ともに安定していたのに、最近あれほどの元気もないし、なんか浮き沈みがあるような感じがするのは年齢のせいですかね……」と独り言ともつかないつぶやきを主治医に吐露したところ、いつもさばさばした女性医師は、いつも以上のさばさばレベルで「20代なんて何も考えずに突っ走れますからね! 今は考えることが多いから当たり前ですよ!」とさらっとかるーく流したのでした。
そ、そうか。仕事のこと、お金のこと、親のこと、同居する大型犬のこと、老後のことなどなど、あのころに比べて考えることは30倍くらいに膨らんだ気はするけれども……。
まあでもあのころのフットワークの軽さには目を見張るものがあったのは確か。
もちろん若さゆえに猪突猛進できていたのもあるでしょうが、あれくらいの勇気が今の私にもほしい。今の私に必要なのは、むしろ精神的なほうの若さなのかも。
<文/アンヌ遙香>アンヌ遙香
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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