放送前から注目作が多かった秋ドラマ。その中でも今期は、火曜日が激アツ！ 週がスタートし日々の仕事から脳内を切り替えるのにベストな夜、どっぷり没入できる作品が続く火曜の夜ドラマにスポットを当てます。 　まずは、初回放送直後からSNSでも話題沸騰となった『じゃあ、あんたが作ってみろよ』（TBS系）。夏帆さん演じる山岸鮎美と竹内涼真さん演じる海老原勝男のW主演作です。 　竹内さん演じる勝男が絶妙にイライラさせつつも、憎めない化石男として大反響を集めています。この物語の見どころは、それぞれ欠点を抱えた男女2人が破局からスタートし、再生しようともがいていく過程をありありと描いている点。 　勝男は、“料理は女が作って当たり前”、“冷凍食品やめんつゆは手抜き”と、恋人・鮎美に完璧であることを求め押し付けてきた、時代に取り残された亭主関白男。ただ、勝男は他人のアドバイスを受け入れ、断ち切れない鮎美への想いも相まって、勝男は時代錯誤男から必死に変わろうとします。

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　そこが何とも憎めず、視聴者が勝男から目が離せなくなっている要因です。見た目だけさわやかで悪気無く俺様ぶりを発揮している竹内さんのちゃんと「なんだコイツ」と思わせてくれる振る舞いも見もの。ギリギリの塩梅で応援したくなる勝男を、竹内さんが見事に演じています。 　一方、想い人である鮎美もまあまあどうかしています。鮎美はハイスペック男子と結婚するため「モテ」に全ベットし、勝男に尽くし過ぎて自分を見失っていた女性。そんな鮎美も自分を押し殺してきたことを後悔し、変わろうとしています。 　髪色も黒からピンクと派手に変えて、テキーラだって飲んじゃう。そんな奔放な自分を受け入れてくれる出会ったばかりの人々に対し、グイグイ距離を詰めていく。酒屋のナンパお兄ちゃんにあっさり心の隙間を突かれてしまうところにも、鮎美が“距離感バグり女”となった様が表れています。

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〖じゃあ、あんたが作ってみろよ〗 TBS10月期火曜ドラマ【公式】(@antaga_tbs)がシェアした投稿

「男性受け」と「自分らしさ」の狭間で、迷走している鮎美。変わっていく前後の彼女の心の葛藤を、夏帆さんが繊細に演じ分けています。 　勝男は時代にフィットした男になれるのか。鮎美は自身のアイデンティティを確立することが出来るのか。そして「新しい世界」で変わっていく勝男と鮎美は、新たな出会いもありつつ再び向かい合う日が来るのか。最後まで見届けたい作品です。