
真似をするなら旅館の朝食がおすすめ
ダイエットにはバランスの整った食事がいいとはいえ、「たんぱく質:2、脂質:2、炭水化物:6」を守って毎食の献立を考えるのはハードルが高そうですが……。
「いちいち計算する必要はありません。旅館の朝食を真似てもらうと、バランスが勝手に整うのでおすすめですよ。ご飯、味噌汁、魚、サラダ、果物といった組み立て方ができると、たんぱく質と脂質、炭水化物が整ったバランスのよい食事になります」
献立を考えるときは、下記のポイントを意識するといいそうです。
【献立のポイント】
ご飯:現在の体重に合った適正量を食べる
味噌汁:炭水化物を多めの具沢山にする。具材はニンジン、キャベツ、芋類、大根、わかめ、ナス、ほうれん草、キノコ類、などがおすすめ
魚:主菜はしっかりたんぱく質が摂れるものを1品置く。もちろんお肉でもいいが、脂質が多い部位や加工肉などは避ける
サラダ:生野菜なら両手一杯分、茹で野菜なら片手一杯分を目安に。特にブロッコリー、ほうれん草、かぼちゃは栄養素が豊富な最強食。スーパーで冷凍食品として手に入るので便利
果物:果物ならならなんでも。ネットでは一部果物は糖質だから太りやすいというような情報もありますが果物に含まれる果糖(フルクトース)は血糖値の上昇に関与せずビタミンミネラルが糖代謝を助けてくれるので、毎食食べてもOKです。1日300g推奨
「1日3食にすることで代謝がアップして脂肪が燃えやすくなり、血糖値が安定して自然と食欲がコントロールされるので暴食を防げます。さらに、食事回数が少ないときよりも栄養吸収率がアップして、効率よくカロリーを摂取できます」
バランスの整った食事を実践した結果、「甘いもの欲がなくなり、間食がやめられる女性が非常に多い」そうです。ただ、それでも午後や夜間にお腹が減ってしまうという方は、「間食を摂ってもいい」とも。
「だからといってお菓子を食べてはダメ。間食の目的はエネルギー補給なので、200kcalから300kcalを目安に炭水化物を食べるようにしてください。仕事の合間でも食べやすいおにぎりがおすすめですが、さつまいもや果物などもいいですね。食べる余裕がないときは黒糖やはちみつ飴がベスト。特に黒糖は、白砂糖と比べて栄養価が高いんですよ」
ただし、甘いものがどうしても我慢できないといった方は、カロリー不足や栄養不足、ストレス、睡眠不足など、別の原因が考えられるとも。「我慢することで過食に走ってしまう可能性もある」そうなので、専門家に相談したうえで根本的な原因の解決を目指すべきだそう。
「ダイエットが成功しない方は、自分が痩せない原因を分かっていないことが多い。とにかく食事を減らしたり、運動したりするんですが、それよりもまずは自分が痩せない原因をちゃんと把握することが重要です。
そのうえでダイエットをするという感覚をなくすことも大事。痩せた後も体重をキープし続けないといけませんが、ずっとダイエットを続けると考えるのはつらいですよね? だからダイエットを行うのではなく、生活習慣を改善するという感覚で始めたほうが続けやすいですし、痩せた後も体型を維持しやすい。
糖質制限やファスティング、16時間断食のような過剰なダイエットよりも1日3食を適正カロリーでバランスよく食べる。このほうが長期的に見てダイエットが成功するのは明確な理由があるわけです」
<取材・文/黒田知道>