次に、最近になって主演を任されるケースが増えた背景を考えたい。やはり『女王の教室』などの話題作から20年が経ったため、かつての役のイメージが薄まったことが大きい。今の志田を見て、『14才の母』の未希の面影がちらつくことはあっても、志田がやっている役と重ねることはもうない。また、年齢的にもアラサーの役を演じるケースがほとんどなので、フレッシュさを求められることもなくなった。

画像:『未来のムスコ』TBSテレビ公式サイトより
そして何より、演技力の高さが一番影響している。『未来のムスコ』では、ある日未来からタイムスリップしてきた息子の母親になる売れない俳優・汐川未来を演じた。ひもじい生活を送る様子からは悲壮感がうかがえるが、どこかポップさがあって見ていられる。加えて、母親としての優しい側面も表現しており、安定した表現力を見せた。
『エラー』では、母親を誤ってビルの屋上から突き落として死なせてしまった中田ユメ(畑芽育)と友情を深める大迫未央を演じている。最愛の母親を失い、人生のどん底に突き落とされるも、何とかはいずり回って生きていこうとする未央の姿にはグッとくる。コメディタッチな『未来のムスコ』でのポップな母親役から一転、『エラー』で見せるシリアスな演技。この振り幅の広さこそが、今のドラマ界が彼女を手放さない理由だろう。
圧倒的な演技力もさることながら、彼女にはもう一つの魅力がある。それは、画面越しでも伝わってくる「親しみやすさ」だ。もちろん志田は誰もが認める美人だが、どこか遠い世界のスターというよりは、「学校のクラスや職場に1人はいそう」と思わせる、体温のある美しさなのだ。
志田が美人であることは間違いなく、学校や職場にいるわけはない。それでも、志田が演じている役を見ていると、自分自身との共通点を探して、まるで自分事かのように没入しながら作品を見ることができる。
ビジュアルに加え、彼女の「素顔」も親近感に拍車をかけている。人気声優・松岡禎丞や、人気アイドルグループ・FRUITS ZIPPERのファンであることを公言するなど、オタク気質であることも親しみやすさをより加速させている。まさに友達の友達くらいの親近感を持たせながらも、高い演技力で作品に引き込んでいく。キャラやキャリア、そして表現力の高さがガチっと今、噛み合っていることが「やっぱりドラマ界に必要な人」と思わせているのだろう。
今後、かつてのように志田に魅了される機会は増えていきそうだ。
<文/浅村サルディ>
浅村サルディ
芸能ネタ、炎上ネタが主食。好きなホルモンはマキシマム ザ ホルモン。