歴史の発展と、女性の抑圧が見事なコラボレーションをしてしまったのが、「魔女狩り」だ。これはヨーロッパのあちこちで起こったとされる、多くの罪もない女性が暴行・拷問された惨(むご)い出来事だ。
ネットもテレビもない時代に、どうしてヨーロッパのあちこちで同様の出来事が起きたのだろう、と思っていた。
実はこの時代、非常に素晴らしい発明である、活版印刷が誕生している。魔女狩りが凄まじい勢いで広まり、実施されてしまったのは、魔女裁判を推奨するような本が印刷され、広く読まれたことが大きく影響しているようだ。
女性を「糞袋」(!)に例える聖職者、冒頭にも出した女性に財産を持たせないナポレオン法を作ったナポレオン、本を持つ手に力がこもりそうな記述も多数出てくるが、本題は、その中でも抗い、闘い、自らの力を振り絞り生きてきた女性たちがいるということだ。
ハッシュタグも、スマートフォンも、避難シェルターもない中に、仕事を持ち、自分の能力を活かそうと戦ってきた女性たちが、本の中にはたくさん登場する。どれだけ苦しくても、大変でも、強さとしなやかさ、諦めなさ、行動力には本当に励まされる。

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今、日本やヨーロッパの女性は投票ができる、(基本的には)好きな仕事につける、財産の一部として結婚させられることはない。
自分たちの銀行口座を持てる、親からの遺産を女性が継ぐことだって可能だ。自分の生き方を、自分で選べるようになった。
今まで戦ってきてくれた人がいるから、今がある。絶望しかけたとしても、絶望してはいけないのだと、この本にはエールがぎっしり詰まっている。
私たちは所有される財産などではない。よしんば果樹だったとしても、大地に根を張り、逞(たくま)しく、この世に実りをもたらすぶっとい樹なのである。
<文/宇野なおみ>
宇野なおみ
ライター・エッセイスト。TOEIC930点を活かして通訳・翻訳も手掛ける。元子役で、『渡る世間は鬼ばかり』『ホーホケキョ となりの山田くん』などに出演。趣味は漫画含む読書、茶道と歌舞伎鑑賞。よく書き、よく喋る。YouTube「
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