
そんなまきこさんが違和感を感じたのは、義母が入所してから3カ月経った頃のこと。
「1階のフロントを通って、エレベーターで義母の部屋がある3階に上がるんです。あの日は3階フロアに足を踏み入れた瞬間、なんとなく空気が変わった気がしたんです」
3階のフロアは、普段ならテレビの音や、入居者同士の雑談が聞こえてくる場所なんだとか。でも、これまでの音がしない代わりに、嫌な視線を感じ、まきこさんの背後でひそひそとした声がしたんだそう。
「私が歩くと、ふっと会話が途切れるような気がしました。気のせいかなと思ったのですが、その日を境にして、「あれ?」と思う日が増えていったんです」
まきこさんはその違和感を、義母に相談します。
「すると、義母はにこやかに言ったんです。『そんなの思い過ごしよ。ここの施設の皆さん、あなたのことすごくいい嫁だって褒めてるわよ』って。その時の義母の優しげな笑顔に、やっぱり私の思い過ごしかなって、思ったんですけどね……」
義母の笑顔と言葉に安心しつつ、それでも3階フロアを通る度に異様な空気を感じていたまきこさん。
「翌月も、その翌月も。ひそひそ声やクスクスと笑い声が聞こえたりして。私は何もしていないのに、居心地の悪さを感じました。それが、毎回続いたんです。もうこれは偶然じゃないなと思いましたね」