最後まで観てよかった春ドラマ3選。佐藤二朗の怪演、そして圧倒的完成度だった黒木華×松下洸平の傑作とは
銀河の一票
政治を“自分ごと”として描いた、今期屈指の傑作
本作が熱い支持を得たのは、かつて日曜劇場『御上先生』でもモチーフとなった「パーソナル・イズ・ポリティカル(個人的なことは政治的なこと)」という概念を、極めて身近な手触りで描き出した点にあるのではないでしょうか。 政治の仕組みや選挙戦の裏側を描きながらも、物語の中心にあるのはあくまでも「人」。登場人物たちがそれぞれの傷や迷いを抱えながら、それでも社会と向き合おうとする姿にぐっと引き込まれました。各キャラクターの人生を丁寧に掘り下げることで、選挙や政治が“自分とは関係のないもの”ではなく、いま私たちが生きている現実の延長線上にあるものとして立ち上がってくるのです。 誰かひとりを万能なヒーローにしない蛭田直美氏の脚本も秀逸でした。正しい人だけが世界を変えるのではない。間違える人、迷う人、傷ついて立ち止まる人たちが、それでも手を取り合い、少しでも未来をよくしようともがいている。その不器用さこそが、本作の大きな感動につながっていました。 苦悩や社会問題を扱いながらも、観終わったあとに残るのは重さではなく、「こんな人たちにこそ政治を担ってほしい」と思わせる希望の光です。エンタメとして楽しめる軽やかさと、現実を見つめる誠実さ。その両方を兼ね備えた『銀河の一票』は、2026年春クールを代表する珠玉の一本でした。 ========== この春、皆さんが「最後まで観てよかった」と感じた作品はどれでしたか? <文/鈴木まこと> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
鈴木まこと
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201










