男性は一瞬、座席と女性の顔を交互に見たあと、穏やかな口調で「そのゴミの分も運賃を払って座っているんですかねぇ?」と尋ねたそう。
一瞬、車内が静まり返り、女性はハッとした表情になると、「はぁ? そんなわけないでしょ……」と口の中でブツブツ文句を言いながらも、さすがにゴミを置いたままにはできなかったのか、包み紙と袋を自分の膝へ移動しました。
すると男性は、にっこり笑って「すみませんね、ありがとうございます」とお礼を言いながら、空いた席に腰を下ろしたそう。

画像はイメージです
「怒鳴ったり嫌味を言ったりするわけではなく、ユーモアのある一言だったので、女性も片付けざるを得なかったんだと思います」
車内の空気も和んで、菜月さんは「こういう伝え方って粋だな」と感じたそう。
「正直、最初はコロッケの女性に『こんなに自由に振る舞う人もいるんだな』と驚いていました。でも、最後に男性がさらっと注意してくれたことで、私までスッキリしましたね」
菜月さんは、男性が女性を責めるのではなく、自然な流れで行動を改めさせたことが印象に残ったといいます。
「もし『そのゴミを片付けろよ、座れないだろ』と強い口調で言っていたら、女性もムッとして、車内の空気が悪くなっていたかもしれません。でも、あの言い方なら、言われた側もゴミをどけるしかないですよね」
とはいえ、女性が最後まで不満そうにしていたことには、少し苦笑してしまったそう。
「私だったら、あんなにうまく言える自信はありません(笑)。でも、誰かの迷惑になっていることを伝えなければならない場面では、相手を責めるより、ああいう柔らかい伝え方ができたら素敵ですよね」
思わぬ一言で、迷惑な“ゴミの席取り”をやめさせた男性。その機転の利いた注意の仕方に、菜月さんは感心するとともに、「自分もこんなふうに、さらっと言える人になりたい」と思ったそうです。
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
【あなたの体験談を募集しています!】⇒
心がほっこりした「ちょっといい話」、ありえない!「びっくりした話」「ムカついた話」、人生最悪の恋愛を募集中!(採用時に謝礼あり)ご応募はここをクリック
<文・イラスト/鈴木詩子>