――そもそも、タイで生活されている日本人にはどういった方々が多いのでしょう?
カワノアユミ(以下、カワノ):見聞きした限りでは、移住者の平均年齢は50代半ば~60代後半で、7割を占めていると思います。日本人の集う飲み屋での出会いが多く、友人と飲んでいるときに知り合いの輪が広がっていくとも聞きます。
開放感ある場所で許されると思っているのか、タイでは日本人男性から日本人女性へのセクハラが多いんです……。タイの夜の店では、女の子が日本人客に優しく接してくれるので、その延長線上の感覚もあるんでしょうね。ひょっとしたら、日本人の温もりが恋しいのかもしれませんが、内心では「ノリがだいぶ昭和だよなぁ」と思っています(笑)。
――カワノさんご自身が出会った中で、とんでもないおじさんもいたのでしょうか?
カワノ:今回のコミックエッセイでも描かれている、日本人同士の食事会で出されたおにぎりを、炊き出しかのようにごっそり持ち帰った男性ですね。その人はYouTuberで、私が動画に出演したら、別のタイ人のおじさんが私を「紹介してほしい」と言ってきたらしく、紹介料まで取ろうとするほどセコいおじさんでした。
通っていたジムで機器の操作を教える体で私の身体を触ってこようとするおじさんもいました(苦笑)。

ナイトライフが集まるパタヤ
――既婚者で夫と一緒にタイへの移住を決めた女性もいるそうですが、どのような印象ですか?
カワノ:奥さんから「移住しよう」と持ちかけるより、ほとんどは旦那さんのわがままで来ていますね。奥さんが自宅で家事をしているときに羽目を外し、キレられる旦那さんもいます。夫の転勤でタイに渡る「駐在妻」もいて、私の住むパタヤではなく、首都のバンコクにはたくさんいるんです。彼女たちは夫と離れて合コンで遊び、出会いを求めてナンパがOKなビアバーに通ったりしているみたいで。
パタヤでは「バンコクで暮らしていたけど、物価が上がってきたのでパタヤに移ってきた」という方とも知り合いました。仕事は株のトレーダーだったんですが「パタヤにはろくな男がいない」と言って、日本に帰っていきました。
――著作では、理想と現実の違いから日本に帰国してしまう女性も多いと書かれていました。
カワノ:単身で移住してくる女性ですね。時間が経つと、現地での生活がやっぱり苦しくなってくるんです。そうなるとパートナーを探したくなってくるんですが、日本人男性となるとおじさんしかいませんし、日本人以外では、夜遊びばかりを考えて昼間からビールを飲んでいる現地のおじさんぐらいしかいないので、楽しめなければ帰ってしまうのかと思います。
――現地の男性と恋愛、結婚に発展するのは難しいんでしょうか?
カワノ:あるとは思いますが、女性からするとパタヤでは一般人男性との出会いが少ないんです。働いているのは現地の女性ばかりで、男性となるとホテルマンかバイクタクシー、夜の店の男の子がほとんどなので。なかには、結婚した日本人の女の子もいますが、タイの文化として男性が働かないのもあり、結婚後にうまくいかない夫婦も多いと聞きます。ただ、離婚をしたらビザがなくなってしまいますし、日本にも帰れず、仕方なく結婚生活を続けている人たちも少なくないそうです。