2011年、20歳で『3年B組金八先生ファイナル~「最後の贈る言葉」』(TBS系)にて5歳下の中学生役で俳優デビューを果たします。ただ、決してすぐに売れた“二世”ではありません。
その後、大学を中退して舞台を中心に地道に経験を積み、2013年に映画『おとぎ話みたい』で「恐るべき演技」と評され、映画賞で最優秀女優賞を受賞。一歩ずつ自らの力を証明していきます。

DVD『おとぎ話みたい ~LIVE FOREVER Ver.~』(TCエンタテインメント)
世間に彼女の演技を鮮烈に印象付けたのは、2017年のドラマ『リバース』(TBS系)での怪演ではないでしょうか。不倫する夫を追い詰める様が狂気に満ち満ちていて、視聴者を震撼させました。
翌2018年には映画『生きてるだけで、愛。』で、躁鬱病を抱え葛藤する女性を感情の起伏激しく体当たりで表現。商店街で全裸になり駆け抜ける彼女の姿からは、しがらみから解き放たれる清々しさがほとばしっていました。
かつてバレエで挫折し、ボロボロになった経験を投影させた渾身の演技は高く評価され、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。さらに同年の日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)では、不愛想ながら技術に長ける看護師役を好演し、実力派の地位を不動のものにしていきます。
趣里さんにとって、最大の転機となったのが朝の連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK総合)です。

CD『連続テレビ小説「ブギウギ」オリジナル・サウンドトラックVol.2』(日本コロムビア)
2471人が応募したオーディションにて、32歳にして「ブギの女王」と言われた笠置シヅ子をモデルとしたヒロイン・福来スズ子役を射止めます。それまでの3回の落選を覆し、年齢制限の上限ギリギリで、まさにラストチャンスを掴んだのです。
選出の決め手となったのが、長年培ったバレエに基づく卓越したダンスと歌唱力でした。劇中での歌唱シーンを自ら務め、ハスキーな歌声と、これまでの陰のイメージからは真逆のパッション溢れるパフォーマンスでお茶の間を魅了したのです。