家族それぞれが食べるものも違うので栄養がとれればいい
池田:それにしても! こんなにたくさんレパートリーがあったら、一汁三菜組み立て放題ですね!
山本:いえ、うちは一汁三菜並べることはほとんどなくて……。たとえば夕食だったら……まずメインを考えて、あとは野菜の入った汁物とか。それと野菜ですね。野菜は料理っていうより食材って感じで……みんな手元で好きなものつけて食べてます。イケキョーさんのこの本(『池田暁子の必要十分料理』トランスビュー刊)でいうと…うちの普段の食生活は「1日1回・野菜をどっさり入れた袋麺またはパスタ(アカン気がする)」寄り、ブログに載せてる献立や盛りつけは撮影用で「1日3回・栄養バランスのとれた完璧な献立(そこまでやらんくていい気がする)」寄りです。
山本:家族は好き嫌いが多くて、夫も薬味が苦手なので、みそ汁の上のねぎとかなんなら私しかかけないので、撮影に使った料理からねぎだけどけて出したり。カレーのときはカレーだけドンッて出したり。「今週妙にやる気あるな」ってときはちゃんと作りますし、逆に買ってきたお総菜ばっかりになるときもあります。調理法も色合いも味のバランスも並べ方も正直なんでもよくて。ただ……食べるものさえ食べていれば、栄養を補えてればいいかなと思ってます。子どもたちがそれぞれ食べられる野菜が違うので……。
池田:工夫して食べさせたりされてますか?
山本:いいえ、無理に食べさせることはしてなくて、食べられるものを前においてます。長女のときは食べさせようとしてみたんですが、私もしんどいし、向こうもイライラするしで。無理に食べさせようとすると共倒れになるので……家族全員が同じものを食べなくても、それぞれが食べられるものから栄養をとれればいいかって考えてます。
「なにを食べるか」を決めてからどうやって食べるか決めています
山本:1食とか1日ずつでバランスをとるのは難しいので、1週間とか……1か月ぐらいでバランスがとれたらいいかなと思ってます。「最近野菜食べさせてないな」と思ったら、野菜がいっぱい入った汁を出したり。
池田:その日のメインはレパートリーのなかから「なにを作ろうかな?」と考えて決める感じですか?
山本:いいえ。「なにを食べるか」から決めてるっていうことに、イケキョーさんの過去の本を読んで気がつきました。
池田:私はずっと「なにを作るか」を決めてから材料をそろえなければいけないと思っていて……。難しすぎて立ち往生していました。料理の手際がよくないとレシピが無限にあって決められないし、レシピの材料をそろえたらそろえたで、半端に残る食材をうまく使いきれないし……。
山本:「なにを食べるか」を決めてから、それを「どうやって食べるか」を考えてます。「なにを食べるか」は、スーパーで目についた「食べたいもの」や、冷蔵庫で傷みかけてる「食べきらなきゃいけないもの」で決まってきます。
山本:食材の食べきり方はイケキョーさんと一緒で、お肉とか冷凍うどんとか、いつも使うレギュラーを冷凍しておいて、野菜などのゲストを必死で使いきっていく感じで。
山本:最終的に半端な野菜はごった煮にして、自分で食べてます。
池田:そう伺うと、なんだかホッとします!
――栄養さえ満たされていれば、巷にあふれるレシピや献立の立て方にとらわれすぎずに、ラクな気持ちで日々の食卓をまわしていけばいい、という山本ゆりさん。毎日の料理に困っている人こそ、気負わずにぜひ試してみてくださいね。
<漫画・イラスト:池田暁子 撮影:林紘輝>
池田暁子
通称・イケキョー。1969年、愛媛県出身。イラストレーター・マンガ家。『料理上手の頭ん中のぞいてみました!』(扶桑社)、『池田暁子の必要十分料理』(トランスビュー)、『片づけられない女のための こんどこそ!片づける技術』(文藝春秋)など多数の著書がある。X:
@ikedakyoko