やがて鍋が完成すると、男性は大きな声で「よーし、できた! スタミナがついて元気が出るぞ! せっかくだしみんなにも振る舞ってやるよ!」と言いました。
そして、近くにいた登山者たちへ「食べるだろ? ほら」と、紙の器に鍋をよそい次々と差し出し始めたのです。
「私は内心『いや、1ミリも欲しくないし』と思ったものの、おじさんを目の前にしてハッキリ断るのも気まずく、どう言い訳しようか迷っていたら……」

すると、近くに座っていたシュッとした雰囲気の女性が、男性を見上げて「こういうのは居酒屋で食べるので結構です」ときっぱりと言いました。
「山頂の空気を邪魔しないものを」女性の一言に拍手!
さらに女性は、凛とした表情のまま「今は、この爽やかな山頂の空気を邪魔しないものを食べたいので」と続けたそう。
あまりにもストレートな言葉に、亜佑美さんは思わず心の中で「い、言ってくれた!!」と叫びました。
一方、男性は予想外の返答に面食らったのか「人が親切に分けてやるって言ってんのに……」と、気まずそうな表情。
それでも「せっかく作ったんだから食べてくれ」と言わんばかりに、ほかの登山者にも鍋を勧め続けました。しかし誰も受け取ろうとはしません。