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慶應卒・松井ケムリさん「親に言われて勉強していた」 だからこそ我が子には言わないと決めた“本音”

単独ライブから生まれた初の絵本「完全なお客さんに向けて描いた」

『ちがうちがう』

松井さんが発表した絵本『ちがうちがう』

――初の絵本『ちがうちがう』を出版されました。どんなきっかけで生まれた作品なのでしょう? 松井:この本は単独ライブの企画から生まれたんです。神様が間違えて作ったおかしな世界を、少年が「ちがうよ!」とツッコんでいくお話です。ツッコミを一個のテーマにした絵本なので、そのためのボケをどう入れるかに注意しました。作るときは、大きなホワイトボードにネタを書き出して、そこから絵的に面白いものを選んでいきました。 ――大人向けの本を出されたときとは、感覚が違いましたか? 松井:かなり違いましたね。大人が大人に読ませる本って、ある意味、自分の好きなことを好きに書いてもいい感じがありますよね。でも絵本は、読ませる相手が子どもという完全なお客さんですから。自分の主義主張はいれず、とにかく子どもを喜ばせるためだけに描きました。
『ちがうちがう』

『ちがうちがう』より

――手ごたえはいかがですか? 松井:発売後に「5歳の子が爆笑していました」みたいな連絡がくるんですよ。人を喜ばせようとして、実際に喜んでもらえる。しかも、笑わせる相手が子どもだったのは初めてですからね。想像するしかないんですけど、読んでくれている子の姿を思うと、すごく嬉しくて。やったことはないですが、食べ物屋さんの気持ちに近いのかもしれません。 ――ご自身のお子さんの反応も、楽しみですね。 松井:それが、まだ子どもには読ませられていないんです。だから、どんな反応をするのか、まだわからない。でも、近い将来、自分の子どもに読み聞かせられる絵本をつくれたのは、素敵なことだなと思っています。 ――お子さんが大きくなったら、ある日、お父さんの仕事に気づく日も来るんでしょうね。 松井:そのときは、自分が芸人であることは、隠さず全部言うと思いますよ。仕事って、どうしても自分である程度取捨選択はしなきゃいけないときがありますが、選ぶときに「この仕事は子どものためになるか」「子どもにとってマイナスにならないか」を考えるようになりました。いつか子どもに物心がついたときに、誇れる父親でありたいですから。この絵本も、いつか「パパが描いたんだよ」って渡せたら、うれしいです。 【松井ケムリ(まつい・けむり)】 1993年生まれ、神奈川県出身。慶應義塾大学在学中に髙比良くるまとお笑いコンビ「令和ロマン」を結成。2023年『M-1グランプリ』で初の決勝進出で優勝、2024年には大会史上初の2連覇を達成。2025年に第一子が誕生。2026年4月に初の単著となる動物エッセイ『ナマケモノの朝は、午後からはじまる。』(Gakken)、7月に初の描き下ろし絵本『ちがうちがう』(集英社)を刊行した <取材・文/藤村はるな>
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