漫画実写化には、原作ファンが頭の中に作り上げた「正解」があります。俳優自身の個性が強すぎれば「○○じゃなくて俳優本人にしか見えない」と言われ、かといって存在感がなければ「似てない」と批判が来る。
つまり必要なのは、“主役の華”と“染まりやすさ”という、ちょっと矛盾した能力なのでしょう。そのバランスが高橋さんはかなり絶妙なのかもしれません。
この「またあの人気漫画の実写映画の主演が高橋文哉か」となる現象、平成時代には山﨑賢人さん(32)が一手に引き受けていました。
山﨑さんは2014年の『L・DK』以降、漫画原作作品に次々出演。『ヒロイン失格』、『オオカミ少女と黒王子』、『四月は君の嘘』……。当時の山﨑さんといえば、制服を着てヒロインの隣に立てば、とりあえず少女漫画の世界が完成する男でもありました。
その後も『斉木楠雄のΨ難』ではピンク髪、『ジョジョの奇妙な冒険』ではリーゼント。そして『キングダム』の信、『ゴールデンカムイ』の杉元佐一と、むしろ「この人じゃないと成立しない」タイプの大型漫画原作作品を背負う俳優になっています。

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そのあまりの登板数に、「山﨑賢人は漫画の実写化作品に出ないとひどい目にあう契約でもしてるのか?」「実写化請負人」と揶揄されることもありました。
山﨑さんと言えば、どんな役もこなす演技力や器用さもさることながら、端正な顔立ちでも有名。女性ファッション誌『ViVi』で2015年に始まった「国宝級イケメンランキング」で初代1位に輝き、2016年上半期でも1位を獲得して初代殿堂入りを果たしています。
長身でもあることから、隣に並んだヒロインがより小柄で可愛らしく見えて画面映えするということから、少女漫画のイケメン王子様役を大量に任されたのでしょう。学校一のモテ男だったり、ヒロインを振り回す美少年だったり。「こんな男子が学校にいたら」という女子の妄想を、三次元に召喚する役目はまさにピッタリでした。
山﨑さんが少女漫画から出てきた“王子様”なら、高橋さんは少年漫画に放り込まれた“普通の青年”という違いがあるでしょう。女性が目をハートにしてきゅんきゅんしやすい山﨑さんと、男性が「この主人公は自分だ」と自己投影しやすい高橋さん。同じ実写化俳優でも、求められるキャラクターが変わっているのが面白いところです。