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「人生で大切なのはお金」と言い切る14歳が、本当は伝えたかったこと――禅僧と10代たちの対話

自分の子も「他人」で「わからない」前提に立つ

――大人も病んでますよね。教育関係の人に取材すると、「子どもが不調を抱えている場合、実はたいてい親のほうに問題がある」と言うんです。 南:だいたいそうでしょう。 大人の悩みを聞いていても、かなりの確率で、最後に親との関係に行き着きます。「もしかすると親御さんとの間に…」と振ると号泣し始める人もいるし、70~80代でまだ親への恨みつらみを抱えている人もいる。親子関係は一生に影響を与えますね。 ――そんな中で、親は子どもにどう接すればいいのでしょうか。 南:まずは、「子どもは他人」で「わからない」という前提に立つこと。僕の息子は、知的障がいを伴う自閉症でアウトプットができないので、意思がわからない人と付き合う難しさは痛感しています。 でも、障がいがなくても、他人のことはわからないんですよ。「俺は君のことをよくわかってる」と言われると、腹が立つでしょ?「お前ふぜいに何がわかるんだ」って。子どもも同じです。 南直哉さん

親が子にできることは2つだけ

――「親ができることは2つだけ」とも、本に書いていますね。 南:ええ。「あなたがいてくれて嬉しい」と伝えること。経済的に自立するまで衣食住の面倒を見ること。この2つしか親にはできないと、僕は考えています。 親はつい、「あなたのため」と言って、生き方まで指導してしまうんですが、これは危ない。「親の言うことを聞くんだったら愛してあげる」という、“取引”になってしまう。 このお定まりの構図にどっぷりはまって、大人になっても親に縛られて悩んでいる人と、数えきれないぐらい会いました。 子どもを「導く」んじゃなくて、「味方になる」。親にできるのは、それぐらいですよ。 (以下、後編) 【南直哉(みなみ・じきさい)】 恐山菩提寺院代、霊泉寺住職。1958年長野県生まれ。サラリーマンを経て、1984年に出家得度。曹洞宗大本山・永平寺で約20年間の修行生活を経て、2005年より恐山へ。2018年、『超越と実存』で小林秀雄賞受賞。著書多数。 南直哉さん <文/増田結香 撮影/我妻慶一>
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