スキーで急降下してきた人に後ろからぶつかられた時と同じ大ケガ

『満員電車で下敷きになりました』(幻冬舎)
――駅ではその後どうなりましたか?
ゆにこ:救急隊が来て「これ事故ですよね。警察は呼びましたか?」って言われた瞬間に初めて「えっ」と驚きました。実際に刑事さんが駆け付けてくれた時にも「これは結構大ごとだぞ」と思いました。でも、今目の前で揉めてるのは担架1台をどうするかってだけのことだったりするので、もうこれは面白いネタだぞ、と。その時はまだ、そこまでの大ケガになってるとは思ってもいませんでした。
――駅員さんの態度で印象に残っていることはありますか?
ゆにこ:もうとにかくオウム返しが多すぎて、笑っちゃいました。「救急車ですか、呼べと言われれば呼びます」「シャッターを開けろと言われれば開けます」とすべてそんな感じ。私は普段、グラフィックファシリテーター®︎として、大手企業にお邪魔して組織やプロジェクトのドロドロ、モヤモヤを、イラストを描きながら可視化して解決する仕事をしているので「出た! タテ割り! おかしいぞ!」と(笑)。
――救急車で運ばれた病院ではどのような診断が下りましたか?
ゆにこ:病院では「脛骨高原(けいこつこうげん)骨折」、別名「プラトー骨折」と診断されました。膝にある高原のように平らな骨が陥没していました。スキー場で急降下してきた人に後ろからいきなりガンとぶつかられた時とまったく同じ怪我らしいです。100キロ級の人がただ倒れてきても、ここまでひどく折れないそうなので、やっぱり電車の急停車が原因だったことは間違いなさそうです。
まさか大手術になるとは……入院生活で待ち受けていた悲劇

手術前のゆにこさん
――大変な大ケガでしたが、入院生活はどうでしたか?
ゆにこ:入院したばかりの頃は「ホテルみたいにきれいだな」と上げ膳据え膳を少し楽しんでもいた部分もあったんです。まさか1週間後にこんなひどい大手術になるとは思ってもみませんでした。
――そこから思ってもみない悲劇の連続になっていくわけですね。それにしても電車内での事故は誰にでも起こりうると思いますが、身を守る方法はありますか?
ゆにこ:スキーでの追突も、気がつかないまま後ろから追突されるより、一瞬でも「来るぞ」と分かると人間は身を守ろうとして、かわせるらしいんです。だから、電車の中で気がゆるんで何もつかまってないときもあるかもしれませんが、そういうことが起こるかもしれないと意識しているかどうかで、大きく違うと思います。

<取材・文・撮影/谷亜ヒロコ>