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「最初から飼わなければ…」16歳の愛犬を亡くした35歳女優が語る、愛することの苦しさと孤独

30代になって意識するようになった「自分の限界を超えること」

武田梨奈さん――また、大人気ドラマ『ワカコ酒』のシーズン10が2027年1月に放送スタートするなど、仕事面でも充実されているとかと思いますが、現状をどう受け止めていますか? 武田:映画『ピリオド』もドラマ『ワカコ酒』も、「この役を武田でやりたい」と声をかけていただけることは、決して当たり前のことではないですし、大きな奇跡でもあると受け止めています。 映画『ハイキック・ガール!』(2009)の頃の10代・20代は、人生経験も浅く、まだ役者として未熟だったため、与えられたものの中で100パーセントを発揮しようと、小さいキャパシティーで頑張っていました。 30代になってからは、作品に呼んでいただいたからには、与えられたもの以上のものを自分が生み出していかないと、という責任感がすごく大きくなりました。なので、今のお仕事は、20代までとは違う取り組み方ですね。 ――その意識の変化は、演じ方にも影響あるのでしょうか? 武田:30代になってからは、自分の限界を超えて役を生きるということを意識しています。以前までは、この役に近づけるために“演じよう”としていましたが、今は声も顔も温度も役の人物と一体となって生きようという意識に変わりました。それからは作品への向き合い方も変わりました。

目標を立てすぎて自分を責めていた過去。先輩の言葉で変わった考え方

武田梨奈さん――来たる40代に向け、人生設計のようなことも考えますか? 武田:もちろん考えないことはないですけど、考えてもどうにもならないこともありますよね(笑)。お仕事だって数年後はどうなっているかわからないですし、家庭を持つかもわからないし、もしかしたら日本にいないかもしれないし、どうなっているかわからない。でも、そういうどうなっているかわからない感じを楽しみたいなと。 ――先が見えないと不安になる人も少なくないなか、それさえも楽しもうとする考え方はポジティブですね。 武田:自分で楽しめるようなマインドに持っていけるようになったのかもしれないです(笑)。それこそ以前は、目標を立てる人だったんです。「来年こそあの仕事をする」など、あれこれと人生の目標を立てていました。 でも、そうなると、出来なかった時の絶望感がすごいんです。自分を責めてしまったり。そのことをある俳優の先輩に相談した時に、「目標を固めすぎだからだよ。なるようになるから。こうなればいいくらいに思えば、なれた時にラッキーと思えるよ」と。周囲からももっと柔軟性を持つようにと言われました。わたしはビビリなので、準備をしっかりするタイプだったのですが、アドバイスを受けてガラリと変わりました。 ――考え方ひとつみたいなところもありますが、それに気づけるかどうかという感じですよね。 武田:不安はもちろんありますが、それを語ったところで何にもならないですよね。なので、なりたい・やりたいことはもちろんありますが、今はいただけるお仕事をしっかりとみなさんに返して、それがどう自分の役者人生につながっていくのか、その変化そのものが楽しみです。 <取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
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