夫婦とも無職、親の小遣いだのみでも「幸せ」?
相変わらず婚活ブームが続いているが、結婚ってしなくちゃいけないの?そんなにいいもの?夫婦100組のアンケートと8組への取材で、その満足度と、幸せになる結婚の条件を探ってみた。
●義男さん(仮名・35歳)&緑さん(仮名・ 35歳)共に無職
3年前に結婚し、1歳の子供がいる田中さん夫妻。目下の問題は、夫婦とも無職という現実だ。1年半前、夫・義男さんがうつ病を悪化させ退職。妻・緑さんはまだ子供が小さく、働きに出ていない。岐阜県にある夫の実家に住まわせてもらい、月に10万円ほど、義男さんの母親からお小遣いをもらって生計を立てているという。緑さんは語る。
「結婚前から夫がうつ持ちだとは知ってましたが、バリバリ働いていたので大丈夫だろうと思っていました。こんな状況でも、離婚は考えたことがありません。子供を一人で育てていけるほどの強さも賢さもありませんし、自分が再婚できるほど魅力があるとも思えません。なにより、夫と一緒にいると楽しい。運命だと思っています」
療養中の現在は、慰安旅行と称して旅行しまくっている。ここ2年はハワイ、バリ、グアムに行った。
「ハワイは格安ツアーで1週間、30万円くらい。バリは高級ホテルに10日間ステイして60万円ほど。グアムは1週間、高級ホテルに泊まり60万円くらいです。資金は私の母親からもらうお金と、独身時代からの貯金300万円を切り崩してます。現在は100万円にまで減ってきました」
意外と贅沢な暮らしぶりだが、双方の実家は特に裕福ではなく、まだ働いている親たちが、老後資金用のお金を回してくれている状態なのだとか。それでも、緑さんは明るい。
「病院巡りなど、できるだけのことはしましたが、効果はなかった。結局、病気なのは夫なのだから、私が頑張りすぎて焦っても仕方ないと思って、楽しいほうに目を向けるようにしたんです。同居なので、義母が子供を預かってくれたり、経済的にも援助しているので、今の状態がベストかなと。夫の両親は、うつの夫と結婚したことを感謝していて、私を大切にしてくれます。家事なども適当でOK。それに、夫が働いていないぶん、のさばれますし(笑)」
夫が完治することはないと緑さんは腹を括っている。いずれは自分が働いて支えなくてはならないが、仕事と家庭の両立をする自信もないし、夫婦間のパワーバランスが崩れることで、関係性にひずみができないか不安なのだとか。
「今は幸せですけど、不安要素があるので、結婚への満足度は90点。子供は絶対に大学まで行かせたいんですけどね……」
夫の声も聞いてみよう。「妻への満足度は95点。ほかについてきてくれる人がいないから。マイナス5点は、出産後に子宮がゆるくなって、SEXレスになったから。月1回ですよ! 結婚前よりオナニーの回数が増えました。あと、妻は太っているのに柔らかくなく、肉が硬いのでなんかイヤ」
確かに、一緒にいて楽しそうな旦那さんである。
取材・文/江沢 洋 後藤麻衣 水越恵理子 港乃ヨーコ 渡辺恵理 友部綾子(本誌)撮影/山川耕一 イラスト/佐藤ワカナ アンケート協力/インフォプラント チャート制作/西田周平
PHOTO/Olegd
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