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淑女たちがトリコ。イケメンAV男優が大人気のワケ

「AV男優ファン」の女性が増えている。『an・an』のSEX特集で人気に火がついた女性向けAVに出演する“エロメン”と呼ばれる男優たちだ。「色黒、筋肉質、絶倫」といったイメージを覆す「色白、細身、草食系」の彼らに世の淑女たちがトリコになっているという。  先日、民放テレビで昨年12月に行われたエロメンのファンイベントの模様が映された。イベントスペースで、AV男優にハグされ、キャアキャアと叫んでいる女性たちを見て、いったいどのような女性たちなのか実際に会ってみようと思った。

ツイッター上で大盛り上がり

 実は、記者は彼女たちと交流がある。1月、エロメンのひとり、一徹さんに取材したのをきっかけに、ツイッターで100人近い一徹さんファンが私のアカウントをフォローしてくれたのだ。「一徹一家」というファンを称する名前まで生まれ、かれこれ1か月半、一徹さんと一徹一家のみなさんを『情熱大陸』かのように見てきた。  3月2日に行われた“エロメン三銃士”が出演する女性向けAVメーカー「SILK LABO」のイベントに潜入すこことに成功した。エロメン三銃士とは、エロメンの中でも特に人気のある3人、一徹さん、月野帯人さん、ムーミンさんのことだ。 ⇒【画像】はこちら http://joshi-spa.jp/?attachment_id=4930  初めてエロメンのファンを生で見て驚いた。ツイッター上で日夜、「一徹くん、ハアハア」と“荒ぶっている”(と、ファンの間では表現されている)女性たちのイメージとは、あまりにもかけ離れていたのだ。身なりに気を使い、マナーもよく、お上品な淑女たちだったのだ。  99%がスカートを履いており、キツすぎないメイク、綺麗に手入れしたネイル、ツヤツヤの髪。イベント前「美容院に行った」、「新しい服を買った」というつぶやきをたくさん見た。前日「無駄な抵抗だけど今からジムへ行く」とツイートしていた人もいたほどだ。  飲食形式のイベントだったので記者はいつものごとく生ビールを空けていたのだが、客席は皆、カラフルなカクテルを飲み、白玉きなこアイスを食べている。このイベントはファンにとって憧れの人との「デート」。ジョッキを傾ける自分が急に恥ずかしくなってしまった。

夫に内緒で北海道から参加。アメリカからも

 実は、ファンのなかには、結婚していたり、恋人がいたりする「リア充」も多い。イベントの質問タイムで、毎回北海道から飛行機でやってくるという女性は「夫に内緒で来ていますが、良い言い訳を教えてください」と質問し喝采を浴びた。AV男優に聞くことと言えば「性のお悩み相談」かと思っていた記者だったが、そんな雰囲気は微塵もなく、「ヴィジュアル系バンドの追っかけをしていると言ってみては」という一徹さんの返答に、ファンたちは黄色い声を上げた。  実は、ファンをパートナーに公言している人もいる。「性生活に不満があるのか」と聞くと、決してそうではないと言う。ファンのブログの中でも、「世界で一番大好きな一徹くん」という言葉が頻繁に出てくる。夫婦仲がうまくいっていないのかというと、そうでもない。夫がいる、恋人がいる、それなりにお金もある(実際、アメリカからイベントに来ている人もいた)。それでもAV男優が「世界で一番好き」と公言できるのだ。  一徹さんが女性にウケる理由はよくわかる。先月、写真撮影のためロケ現場にお邪魔したとき、待ち時間に一人でポツンとしていたら、「大丈夫ですか?手持ち無沙汰じゃないですか?」と声をかけてくれたのだ。仕事でもプライベートでも、そのような言葉を男性に掛けられたことがない……。AVの撮影現場というアウェイな場所で戸惑う記者に気づき、それを言葉にできる。その辺の男性とは明らかに違うのだ。

抽選で「ハグされる権」をゲットした女性は腰砕けに……

 今回のイベントでも、プレゼント抽選に当たった女性が、後ろの席からステージに出てくる際、狭い通路に満員で時間がかかっていたところ、一徹さんは「通りにくくないですか?」とさりげなく声をかけていた。帰りは握手でお見送りをするのだが、なんと一徹さんはファンの顔と名前を覚えていた。それだけではなく、前回のイベントで話した内容や、もらった手紙の内容、ブログやツイッターのコメントまで覚えているらしい。先月の取材の際、たまたま一徹さんのポーチの写真を掲載したところ、ファンから「あれ、わたしがあげたポーチだ……!」という感激のツイートがあった。ファンからのプレゼントをプライベートで愛用しているのだ。  イベントで知り合ったファン同士が“ツイ友”(ツイッターでやり取りする友達)になり、情報交換をしたりAVの感想を話して「ハアハア」言い合ったりする。男性のAV女優ファンにはあまりないことだ。  女性が男性と同様にAVを見る時代がきたと言われているが、女性が男性以上にAVを楽しめる時代がきたのだと感じる。その土台を作ったのが、他でもないエロメンたち。今後も彼らとファンの動向に注目していきたい。 <取材・文・撮影/尾崎ムギ子  協力/SILK LABO http://www.silklabo.com/
尾崎ムギ子
1982年4月11日、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業後、リクルートメディアコミュニケーションズに入社。求人広告制作に携わり、2008年にフリーライターとなる。「web Sportiva」などでプロレスの記事を中心に執筆。著書に『最強レスラー数珠つなぎ』『女の答えはリングにある』。Twitter:@ozaki_mugiko
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