世界が注目する“忍者”ZENが語る、パルクールに賭ける人生が超クール!【インタビュー】
いま話題のスポーツ・パルクール。第一人者であるZENさんは、世界大会でも上位入賞するなど、世界を股にかけて活躍中です。
そんなZENさん初の著書『FLY』(小学館集英社プロダクション)には、哲学とも言える熱い思いが込められています。
前回の記事「ZENさんにパルクールを教わった」に続き、今回は著書を元に、ZENさんにいま伝えたいことを伺いました。
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――パルクールの定義を改めて教えていただけますでしょうか。
ZEN:フランス発祥のストリートカルチャーです。周囲にある環境を使って移動を繰り返す中で、精神と肉体をコントロールできるようにトレーニングしていくカルチャーでして、移動術とも呼ばれています。
――アクロバティックな要素も大きいですが、あくまで“移動”ですか?
ZEN:そうですね、その場での動きはパルクールではないんです。腕立て伏せはパルクールではないし、その場でバク宙するのもパルクールではない。体を移動させながら行うというのが、一つの定義です。元々のルーツの目的としては、A地点からB地点にいかに素早く、無駄なく移動するかということなんです。その結果として、トレーニングがついてくるんですよ。

――ZENさんがパルクールを始めたのは、中学3年生のとき。そこからのパッションがもの凄いですよね。高校生でLAのチームに自らアポを取って、アメリカに乗り込んだり。
ZEN:パルクールに出会う前の自分は、目標を見つけられずに、自分に合っていることも分からずに、漠然と生きていました。でもパルクールを見た瞬間に、「これをやってみたい」と思ったんです。人間はこんなことが出来るんだっていう驚きがあって。自分が思っていた範囲のことじゃなかったんですよ。こんな動きを生身の人間が出来るんだと思ったときに、自分も同じ人間なら、自分にも出来るんじゃないかなと思いました。
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――2011年に世界5位という快挙を成し遂げたものの、その後、ギリシャ大会で予選落ちしてからトレーニングをすべてやり直したんですね。
ZEN:自分の中で、ある種、固まった考えができていたというか。もっと難しい技をやらないととか、誰よりも早くこれが出来るようになるんだとか、自分の中のパルクールに対する動機がちょっと違ったものになっていたんです。昔は、探究心や憧れで自分に足りないものを純粋に追いかけていたのが、いつの間にか技をやるためにパルクールをやっていたんですよね。
そうなってくると、練習の仕方も変わってきて、競技志向になっていったんです。でも今は勝つためではなく、総合的に自分のパルクールを突き詰めて、自分のレベルが上がっていく中で、結果として世界一位を獲れるくらいのプレイヤーになれればいいなと思っています。決して一位になるためのトレーニングではなくて、自分の理想に向かっていくことを、いますごく大事にしています。

パルクールはフランス発祥のストリートカルチャー

パルクールに出会う前は、目標もなく漠然と生きていた


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『FLY (ShoPro Books)』 世界トップクラスの実力を持つパルクールパフォーマーZEN。日本パルクール界の牽引者が初めて語る、その哲学と半生― ![]() |
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