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『逃げ恥』みたいな契約結婚?遊び相手の子供ができちゃった女性の選択

完全なる同居人

「一昨年、娘が生まれました。戸籍上はもちろん夫婦ですが私たちの関係は妊娠中から変わることなく同居人という関係です。部屋も別室。妊娠してから一度も関係していません。お互いの裸を見ることもありません。もともと夫の仕事が不規則で遅いので食事もほぼバラバラです」  そう言って、手帳からひろきさん、娘さん、あかねさんが笑顔で映る家族写真を見せてくれました。それは誰も疑うことがなさそうな、幸せな家族の記念写真です。 「誕生日やイベントは3人で過ごします。でもそれ以外、3人でいることはほぼありません。休日は彼が一人で娘を外に遊びに連れ出します。子煩悩で、娘の面倒をよく見てくれるので、娘もとても彼になついています。ただ、お互いの恋愛は自由でいようと約束をしています。ま、今は私にそんな余裕はまったくなく彼のことも任せているのでどうしているかはわかりません」 父親と子ども 普通とはかなり違う夫婦、親子関係に疑問を感じたり不安を感じることはありますかとふと聞いてみました。 「自分が望んでそうしましたからね。お互いの性格がさっぱりしているというのもあると思いますが、全く不安はありません。彼は遊びたい盛りの年齢で半ば強引に結婚・父親になったのでかわいそうだなと思うところもあり、自由にさせています」  口調は決して強がりではなく、笑いながら夫と子供の話しをする様子は満ち足りた母親そのものです。

誤算からの幸せ

「娘を産むまでは両親に『狂っている』と猛反対され、ほぼ勘当状態でしたが娘が生まれてみれば、娘の笑顔を前に孫フィーバーがおきて今では毎週家にお世話に来てくれています」  と、あかねさんは笑います。 「普通とは違うし、娘に申し訳ないと思った日もありました。でも、いい誤算で彼が子煩悩だったことが本当によかったです。夫婦間に愛情はありませんが、娘への溺愛っぷりを見ると安心して一緒にいられます。そして、娘の成長に1日ずつ喜ぶのと同様に、全く知らなかった彼のことを1日ずつ知っていくことが最近はちょっと楽しいです」  いい誤算で結果として今は幸せと彼女は言います。  結婚はしてみないとどう転ぶかなんて本人たちも含めて誰もわかりません。どう考えても不安要素しかなく、周囲に反対されるような不思議な結婚生活の中であかねさんは着実に幸せを築いているように見えました。 <TEXT/瀧戸詠未> ―シリーズ結婚の誤算【2】―
和久井香菜子
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表
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