●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」15 by小林直子●
冬物のニットを見ると、洗濯表示マークがドライのものばっかりです。しょっちゅうクリーニングに出すのは大変だし、お金もかかります。自分で洗ってもいいですか?
A.服の劣化を防いで老けて見えないようにしましょう
回答:小林直子(ファッション・ブロガー)
衣服についている洗濯表示マークの表示内容は、メーカーの品質管理室などによって決定され、表示されます。生地にはコットン、ウール、シルク、麻などの自然素材でできたもの、またナイロン、ポリエステルなどの化学繊維、また自然繊維と化学繊維の混紡繊維など、多くの種類があり、それぞれによって適した洗濯方法が変わってきます。

新しい洗濯マーク(2016年12月から。消費者庁HPより)
新素材の出現、また素材の多様化により、洗濯表示マークにドライクリーニングと書かれているものが最近多くなってきました。

さて、このドライクリーニングのマークですが、必ずしもドライクリーニングに出さなければいけないというものではなく、洗濯表示マークに、洗面器の中に水が入ったようなマークがあれば家庭の洗濯機で洗えますし、洗面器の中に手が描かれているマークがついているのなら、手洗いすることが可能です。

実は、衣服というものは洗えば洗うほど劣化します。劣化の度合いはその衣服の値段とは関係ありません。3万円のシャツでも2000円のシャツでも、洗ったら同じように劣化します。もちろん洗濯機で洗うほうが手洗いよりも劣化しますから、大事なものやきれいにとっておきたいものは手洗いするといいのです。
冬のニット類も多くが手洗い可能です。洗濯表示マークを見てみて、前述した洗面器のマークがついているのなら自分で洗えます。カシミアのニットでも、手洗い可能の洗濯表示マークがあるのなら、自分で手洗いできます。
自分で洗うことには多くのメリットがあります。まずクリーニングに出すよりもお金がかかりません。食べ物をこぼしたり、化粧品がついてしまっても、すぐに洗うことができます。また洗うときに洗濯機を使わないで、洗面所や洗面器に水(またはお湯)をためて、そこにおしゃれ着用洗剤を入れ、手洗いすれば、衣服の劣化を最小限に防ぐことができます。