
(C)「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」製作委員会
――いつもドラマの終わりに、勲男が本人役の又吉直樹さんの物件選びのためにメールのやりとりをするシーンがありますが、とうとう互いが直接会おうと試みはじめて、二人のあいだに恋愛感情にも似たものが生まれつつありますよね。
浅香:不思議な感覚なんですよ、あれ。最終話で又吉さんと二人で吉祥寺の街を歩くシーンがあるんですが、最後、又吉さんが井の頭公園で話すシーンがすごくよくて、「スゲェ現場にいるな」って感じました。又吉さんだからこそ出せた空気っていうか。
勲男は基本しゃべらないんですけど、最後に一言だけしゃべるんです。11話中、一言だけいただいたセリフ。それが、なんか告白しているみたいな感じなんです。BLの要素とかまったくないんですけど、恋愛感情にも似た、募る思いや緊張感がありました。
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――そのシーンを撮影する時、又吉さんとは初対面だったんですか?
浅香:はい。又吉さんって、テレビで観る限り、ちょっととっつきにくいイメージがあったんですけど、勲男と又吉さんが待ち合わせして初めて会う時の彼の笑顔がとても自然で、たまらなく優しくて、「絶対いい人じゃん、この人!」って。
一緒に街を歩いている時、又吉さんは実際に吉祥寺に長く住んでいらっしゃったので、いろんな場所の説明を思い出話とともにしてくださって、それがすごく面白くて、こちらもキャラを飛び越えて笑いそうになりました。

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――重田姉妹はいつもいろいろな街を散歩していますが、勲男が街を歩くのは初めてですね。
浅香:そう。この街歩きって、勲男はずっと重田不動産にいるから知らなかっただけで、あの姉妹は毎回やっていることなんですよね。その喜びを、又吉さんとの出会いで初めて知るんです。
又吉さんは陰と陽でいえば「陰」の人だと思うんですけど、勲男も同じ「陰」で、歩く時もずっと下を向いているんですけど、井の頭公園に向かって又吉さんと一緒に歩くなかで、心の底からネガからポジに変わっていく感じがしたんです。又吉さんの根底にあるものは実はすごく明るくてポジティブで、いろいろな着眼点から明るい世界を見ているんだなって思いました。又吉さんを通じて、街や風景に目を凝らして歩いてみるだけで世界は変わって見える。そういう感覚がすごくあって、楽しい撮影でした。