●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」17 by小林直子●
冬も後半になってきて、だんだん冬物の黒いセーターに飽きてきました。けれどもまだまだ寒いので、春物って感じでもないです。どうしたらいいでしょうか?
回答:小林直子(ファッション・ブロガー)
ここ最近、日本では夏と冬が異常に長くなってきました。例えば関東を例にとると、10月の第一週ぐらいまでは気温が20度以上の日が続き、11月に入ると、こんどは桜が咲く4月の半ばぐらいまで、ダウンコートが必要なほど寒い日が続きます。
そうすると、春物と秋物を着る機会はほとんどなくて、あとは夏物、もしくは冬物で過ごすことになります。

冬の間は黒やグレーが多いけれど… ※画像:WEARより
さて、人間は飽きるようにできています。脳科学者がそう言っています。だから飽きてしまうのは正常です。人間だから飽きるのです。
そして飽きると、もうおしゃれには見えなくなります。
飽きれば飽きるほど、おしゃれには見えなくなる。これが人間の心理です。
そういうときはどうするか。季節の先取りです。昔から言われているように、
早めに次のシーズンのものを取り入れるほうがおしゃれに見えます。なぜなら、それはまだ見なれていないからです。見なれていないものはおしゃれに見えるというのは、おしゃれの法則です。

画像:WEARより
冬の場合ですと、だいたい2月ぐらいから、冬物に飽きてきます。黒いセーターもダウンコートも、だんだん嫌になってきます。でもだからといって、気温はまだまだ寒い。もう飽きた、おしゃれに見えないから嫌だと言って、いきなりセーターをやめるわけにはいきません。
●2月…セーターを明るい色に変える
そんなときはどうするかというと、形と素材は冬だけれども、色は春物というアイテムを取り入れます。セーターだったら、今まで真っ黒な、ウールのタートルネックのセーターを着ていたけれども、2月の立春過ぎるころからは、白でもピンクでも水色でも何でもいいですけれども、とにかく明るい色のものにチェンジします。

画像:WEARより
●3月初め…コートやマフラーを明るい色に変える
そして3月に入ったら、次は真っ黒なダウンコートやウールのコートを、同じように明るい色のものに変えます。そんなにコートをたくさん持っていなくて、変えるのが無理だったら、コートはそのままでもいいので、首に巻いていたマフラーやストールを明るい色に変えます。とにかく色を変えていきます。それだけで気分は十分変わります。

画像:WEARより