そして「御詠歌」という、仏様を讃えるお歌を歌います。和久井が教えてもらったのは「同行和讃」という歌。右手にトンカチ(みたいなの)、左手に鐘を持ち、トンカチで台をカン、次にトンカチの柄で机をトン、鐘をリーン、リーンと鳴らし、拍子を取ります。

左にある鐘、右にあるトンカチを使いながら歌います
カン、トン、リーンリーン
カン、トン、リーンリーン
「わーあれぇらさ~とぉりぃのぉ~ひーとーぉとーしーぃて~」
リーンリーン
みたいな。
お歌が修行ですか! と聞いたら、
「お歌や舞を奉納するととても喜んでくれる仏様がいる」のだとか。マジっすか。一緒にカラオケに行きたい。ずーっとニコニコ聴いていてくれそう。数回練習した後、本堂に奉納しに行きました。俺の歌を聴けぇ~!
そして、お寺の隣の山道に四国八十八カ所ぶんの小さな石像に、ひとつずつ真言を唱えていきます。
「薬師如来 オンコロコロセンダリマトウギソワカ~!」
「大日如来 オンバザラダドバン~!」
これを88回です。けっこうやった感あります。
そしてまた本堂で般若心経など読経をし、法名を授けてくれました。こうして1日の修行は終了。
朝の9時から夕方16時過ぎまで、みっちり尼さん修行をしてみたわけですが、めちゃくちゃ楽しかったです。まず、コスプレ好きな人にオススメです。1日中尼さんの格好をしてウロウロできます。それから、ものすごーく悩んでいる人、人生辛くて仕方がない人にもオススメです。
最後に授けてもらった法名は、自分の名前から一文字取って、素敵な漢字一文字と合わせて「涼徳」とつけてもらいました(和久井の本名には涼の字がつくのです)。「涼」は、美しい、潔い、心や行いが綺麗で、思いやりの気持ちを持って行動することができる字で、「徳」は、優れた品性、神仏などの加護、周りに自然に人が集まってくる字だそうな。なんかとても素敵な名前をいただいて、ものすごく嬉しかったです。

仏様をバックに法名の記念写真
修行を始めた朝、挨拶をしたときに「今日はなぜ修行にいらしたのですか?」と聞かれました。このとき、大きな悩みを抱えている人は悩みを言うのでしょう。
「死にたい」と思うほど辛い気持ちを抱えてくる方も多いのだとか。そういう人が、新しい名前をもらったらどれだけ嬉しいかしら。そう思うと、なんだかじーんとしてしまいました。