一日アテンドしてくれた尼さんも、ほんとうに優しかったです。決して「ダメ」とか「やめて」と言われることはなく、すべてを許してくれました。「体験記を書きたい」と言ったら、「どんどん書いて!」と言ってくれました。正座が辛くなって全身をブルッブル震わせていたら、「くずしていいですよ」とも。
一緒にお昼を食べながら、なんとなく身の上相談会になりました。
和久井「どうしても親や家族に対する怒りを消すことができないんです」
尼「無理に消すことはないですよ。そのときの気持ちが素直な心なのだから、それに従えばいいんです」
和久井「でもみんなから、親が死ぬ前に許してやれって言われるんです」
尼「私たちはみな、ひとつの集合体です。
死んだ後にでも許す気持ちになったら、それは相手に伝わりますよ」
なーんだ、そうなんだ。
尼「私なんて、ほんとうに折り合いが悪くて、
ちょっとしょっぱい味つけにしたりとか、スリッパ隠したりとか、いろいろしましたよ」
……スリッパ隠すって!! けっこう小さなことやってますが、そうやってチマチマ鬱憤を晴らすのも大事なのかもしれないなあ。
なんだかんだ、「今は悩みもないし幸せポン」とか思ってたけど、話しているうちに出るもんですね。尼さんは午後の授業を始めようとしてやって来たお坊さんを追い返して、会話を続けてくれました。
修行は全部で5回、内容を変えて受けることができるそうです。全部行こうと思います。なにか道が開ける気がします。
何かに悩んでいる方、その突破口候補に尼修行を入れてみてください。スッキリするかもしれません。

最後にいただいたおやつがめちゃくちゃ美味しかった!
<TEXT/和久井香菜子>
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