●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」27 by小林直子●
あまりコーディネートのことを考えずに服を買っています。基本は「一目ぼれ」です。その結果、うまく服がまとまりません。どうすればいいでしょうか?
別に一目ぼれで買い物をしてはいけないわけではありません。ただし、
していい一目ぼれと、しても仕方のない一目ぼれとがあります。
例えば、結婚したいのに既婚者に一目ぼれしたり、アイドルに一目ぼれしてもどうしようもないでしょう? それと同じです。結婚するなら結婚できそうな相手に一目ぼれしても構わないのと同様に、あくまで枠を決めて、その範囲内においての一目ぼれなら、なんら問題はありません。

WEARより
ではその枠とはなんでしょうか。
まず、
自分の予算内であること。素敵な服やバッグや靴はたくさん売っていますが、買えないのなら、自分には縁のないものです。中には予算など決めずに、行き当たりばったりでお買い物をする方もいらっしゃいますが、大金持ちでもない限り、それは危険です。服や靴、バッグごときで自分の財政を破たんさせてはいけません。
20代向けと40代向けでは、同じ「9号」でもサイズが違う
次です。
自分に着られる服であること。靴であったら、履ける靴であることです。
明らかにサイズが合っていない服を着ている方が結構いらっしゃいます。その多くは、どちらかというとふくよかな方が、明らかに適切なサイズより小さいものを着ています。

WEARより
この場合、一目ぼれする前に、自分のサイズに合った服が売っているお店に行かなければなりません。
服のサイズは、若い人向けのものは小さ目に、ターゲット年齢が上がるほど大き目になります。
20代向けの9号サイズと40代向けの9号サイズは、実は大きさが違います。同じサイズ記号がついて売られていますが、年齢が上がるほど、背中や腰の上部に厚みをもたせてあります。
サイズが小さい服を着ている方に話を聞くと、
明らかに自分より若い人向けのお店に出向いて購入しています。つまり、その人は、そこで一目ぼれなどしている場合ではないのです。まさに場違いです。
その一目ぼれ服は、長く続くよきパートナーにはならないでしょう。第一、そんな服は着にくいでしょうし、傍から見ても、なんだか無理して若い人向けのものを着ているのがわかってしまうでしょう。