
次の日の夜、仕事から帰ってきた夫は「やっぱり、もう一度あんたと仲良くやっていきたい」と謝ってきました。きっと、一日経ってから冷静に考え直したのでしょう。
「今日は、久しぶりに一緒にテレビを見よう」「ワインを一緒に飲もう」と色々と仲直りの提案をする夫を見て、ふとAさんは気づいたといいます。
「思い起こせば、最近は付き合った頃のように一緒にテレビを見る事すらなく時間に追われていました…。いつからだったのでしょうか? 色んなことがおざなりになって、少しずつ色んな事を省略していたんです」(Aさん)

Aさん夫妻は、結婚生活をスタートしてから2人で一緒にテレビを見る事すらなかったそうです。
「私はフリーで仕事をしています。このケンカが起きた頃は仕事が最も多い時期で、夫が目の前にいても『仕事があるから』『大切なお客様だから、まずメール返させて』と言って向き合わないで過ごしていたんです。
もしかしたら夫はずっと寂しくて、私にかまって欲しかったのかもしれません」(Aさん)
かまって欲しくて暴れるって子供か!と思いますが、Aさんは優しい妻なんですね。
その後、夫に「本当は、うちわが原因ではなくてあの頃寂しかったんじゃないの?」と聞いたそうです。
すると「いや違う。俺の大切なうちわだから」と言い張るので、「じゃあ、あのうちわ今どこにあるの?」と聞くと「ん? さあ…」と、言葉を濁したそうです。うちわは単なる喧嘩の口実に使われただけかもしれません。

その喧嘩以来、週末は絶対に2人で一緒に楽しむ時間を作るようにしているとか。
「夫が仕事から帰ってきた後は、私も絶対に仕事をしないように気を付けてます。家事分担もお互いに決めて協力し合うようになりました。この喧嘩がキッカケで改めてお互いの存在を大切にするようになった気がします」(Aさん)
丸くおさまってよかったですが、もし次に暴力を振るわれたらビシッとお仕置きしたほうがいいと思いますよ…。
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夫婦・カップル間のマジ喧嘩 vol.2―
<TEXT/真田真由美 イラスト/やましたともこ>