それから、最近読んだ『
意識は傍観者である』(早川書房)という本に書かれていた内容に、
人間の好みは自分で意識できないレベルで決められているとありました。
例えば、自分の名前の頭文字と同じ頭文字の人と結婚する人が多いとか、自分の名前に似た響きの職業を選ぶ傾向にあるとか、出身地や誕生日が近いだけで親近感を抱き、その人への評価が甘くなるといったことが書かれてありました。
それらを、潜在的自己中心性、
無意識の自己愛と呼ぶらしいです。人は、自分に似たものや知っているものに安心感や親近感を抱くみたいなのです。

僕の予想では勃起ポイントも、このレベルの話なんじゃないかなぁと思います。
意識できないところで、興奮するポイントが左右されているのではないかと。
僕の話をすると、見た目で萎えることはほとんど無いのですが、手の親指の爪が小さいとテンションが下がります。どれだけ見た目がタイプで、心から愛おしく思っていても、そっちに意識がいってしてしまうのです。おそらくですが、自分の見慣れた爪の大きさではないことに反応してしまっているのかもしれません。
でも、よくよく考えたら、
人と違うところ、その人がその人であるところにこそ勃起ポイント(魅力)があるのです。個人を個人として明瞭に見て、集団として一括りにしない――これは僕が考える、対人関係を築くうえでの基本ですが、勃起ポイントを考えていくうえでも、男が自分の勃起力を上げていくうえでも重要なことだと思っています。
あなたは「胸が小さい女性」「傷跡がある女性」という一括りに自分をはめ込んで自分を他の人と同一化しようとしなくていいのです。人の好みは無意識のレベルに左右されているのですから、
勃起や萎えポイントに平均値や標準なんてないのです。そんなものはあてにせず、「生きていればいい」のです。
それと、これは余計なお節介ですが、初めてセックスする相手の時にうんともすんともいわなかったこの男のことが心配です。勃起力と人格を結びつけて落ち込んだりしてなければいいんですけどね。
男が人間らしいセックスし始めるのは勃起を手放した時から、という言葉を送りたい。

森林原人さん
<TEXT/森林原人>
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